夏になると、地域だけでなく保育園でも夏祭りが開かれますね。
きっと子供たちはカラフルなちょうちんやうちわ、お面の製作に、懸命に取り組んでいるでしょう。
先生、もしくは保護者が看板を作ったり、神輿を作ったりと準備するものもたくさん。
夏祭りはスケジュール立てから制作物の事前準備を、保育と並行して進めなくてはならないので、先生方にとっては悩ましいところではないでしょうか。
でも運動会、発表会と並ぶ3大行事のひとつですから、成功させて子供たちを笑顔にしましょう。
ここでは、保育園の夏祭り製作ガイド!として、ちょうちん・看板・うちわ・お面・神輿の作り方などをご紹介します。
保育園の夏祭り製作ガイド!ちょうちんの作り方!
ちょうちんの作り方は?
実際のちょうちんは火を使いますが、子供用なら色画用紙と糸で作れるんです。
好きな色画用紙を選ばせ、上下2センチの所に、細長く切った黒い画用紙を貼ってちょうちんの金具としましょう。
- 画用紙を横に長くなるよう山折りし、半分に折りたたんでください。上の部分に黒い画用紙が見えていますか。色画用紙の部分に切り込みをいれて、8本のひだにします。画用紙を横に折り、8等分の折り目をつけましょう。
- 終わったら紙を開き、黒画用紙の手前まで切れ込みを入れます。黒い部分は切らずに残しておいてくださいね。
- 2で作った紙を開いて、筒にします。端と端をホチキスで止めると、少し丈夫になります。筒の中に、黄色の画用紙で作った筒を重ねるように入れ、落ちないようにテープを貼れば、提灯の出来上がりです。
園児と一緒につくる場合の指導案は?
月齢によっては、黒い画用紙を貼るところを省略してもよいですね。
ハサミを使うので、安全な使い方、受け渡し方を確認してから座って作業させましょう。
また、セロテープカッターの刃の部分でけがしないよう監督し、テープを指先でつまんで扱うよう指導します。
材料は?
- 画用紙(黄色で火を表現し、黒でちょうちん上下の金具を表現するので、必ず用意。他は好きな色でOK。)
- 糸(タコ糸など、しっかりしたものがよいでしょう。)
その他、
- のり
- ホチキス
- 両面テープ
- セロテープ
- はさみ
- 手を拭くぬれぶきん
製作スケジュールは?
切って筒状にするだけなので、2,3日で仕上がるでしょう。
まわりの色画用紙部分に絵を描くのであれば、時間がかかりますので、日程と相談しながら進めます。
全体で統一感を出すのか、個性を出した展示にするのか、方向性も確認してください。
製作のポイントは?どこに掲示する?
ポイントは七夕のときに似たような飾りを作っている可能性が高いので、子供たちの作業がスムーズに進むという点です。
ハサミを上手に扱える児童もいるでしょうから、上手に作れるはず。
紙製ですので、軒下など雨に当たらないところを選んで飾りましょう。
来年も使える?うまく保存するには?
画用紙は日光に当てなければ、極端な色落ちはしません。
2年くらいは使えるでしょう。
使用後は段ボールにそっと入れ、箱の側面に何が入っているかきちんと書いて、棚の上に保管します。
次年度使うときは、2か月前の時点で掲示に耐えられるか、よく確認してください。
保育園の夏祭り製作ガイド!看板の作り方!
看板の作り方は?
お祭りを盛り上げてくれるアイテムのひとつが、看板です。
ボードだけでなく、立体のオブジェクトもいいですね。
段ボールにアクリルガッシュで着色すると、雨天時に色落ちする心配がありません。
立体にするなら、風船を使うとお手軽ですよ。
園児と一緒につくる場合の指導案は?
児童にアクリルガッシュを使わせると、服につけるなどのトラブルが予想されますね。
濃い目に溶いた水彩絵の具で着色させたあと、職員が防水スプレーでコーティングすれば色落ちしにくくなります。
有害ですのでマスクをつけ、必ず屋外で作業してくださいね。
材料は?製作スケジュールは?
用意するものは、
- 絵の具
- 下に敷く新聞紙
- 段ボール
- 風船
です。
下書きに沿って絵の具を塗るのは難しいので、最低でも1週間は見ておきましょう。
風船を使う場合は、縮むことも考えてお祭りの前日か当日がよいと考えます。
アクセント程度に使うのが良いですね。
製作のポイントは?どこに掲示?看板には何を書く?
手塗りにこだわらなくても、文字の部分はプリンターで印刷して貼ってもよいですね。
絵の部分は子供たちが描きたがるので、ぜひ描かせましょう。
出し物の種類のほか、どんな景品があるか書いておくと、子供たちも喜ぶはずですよ。
来年も使える?うまく保存するには?
段ボール製の看板なら、来年も十分使えます。
サイズが大きいので箱に入りませんが、大きな紙袋や風呂敷にくるみ、縦にして保管してください。しまう前には軽くふいて汚れを落としておくとよいでしょう。
保育園の夏祭り製作ガイド!うちわの作り方!
うちわの作り方は?
なんの変哲もないうちわも、手に絵の具を塗ってスタンプする、絵を描くだけで世界に一つだけの作品ができあがります。
夏前になると、無地のうちわをまとめ買いできるはずですので、ぜひ取り入れてみてください。
園児と一緒につくる場合の指導案は?
絵の具やおりがみ、のりを使って、夏らしいうちわを作る。
見本を見せて、どんなものを作るかイメージさせます。
数名の児童に何を描くか発表してもらい、モチベーションを高めましょう。
製作作業の約束を確認し、終了時刻を示してから、作業に入らせます。
うちわは骨があり、クレヨンではうまく描けないかもしれません。
手に絵の具をつけて手形を作り、描きたすと作品になりますよ。
乳酸菌飲料の飲み口に絵の具をつけ、スタンプするときれいな模様ができます。
別の紙に絵を描いて、うちわに貼ってもよいでしょう。
材料は?製作スケジュールは?
- 無地のうちわ
- 絵の具
- ぬれふきん
- のり
- 乳酸菌飲料などの空き容器
を用意します。
毛糸やラメの糸を使っても面白いですね。
見本を見せながら、イメージをさせます。
通常の保育や行事とのかねあいもありますので、2,3日くらいで出来上がるものにしましょう。
製作のポイント、何を書くか
それほど複雑な作業をしなくても、作品が仕上がるので子供も喜びますし、保育士としても指導しやすいのではないでしょうか。
うちわの端のほうに子供の名前を書いておくと、見つけやすいので子供も喜びますし、字の勉強にもなって一石二鳥ですね。
来年も使えるか。持ち帰りは?
せっかく作った作品を、来年も使いたいと思う先生の気持ちはよくわかります。
でも、大半の子供は、作品を持ち帰って家族に見せたいと思うもの。
来年まで保育園で預かるのも大変ですし、子供もがっかりするでしょう。
ぜひ持ち帰らせてあげてください。
保育園の夏祭り製作ガイド!お面の作り方!
お面の作り方は?
夏祭りに欠かせないのがお面。
見つけると子供たちのテンションも上がりますよね。
平たい紙皿に色を塗り、色紙を貼ることで子供が喜ぶお面の完成です。
耳の部分に穴を開け、輪ゴムを通せばかぶって遊べます。
園児と一緒につくる場合の指導案は?
目に当たる部分を切り抜く必要がありますが、難しいので事前準備で切ってしまっていいでしょう。
輪ゴムを通す部分もパンチで穴を開ければ、作業がスムーズに進みます。
絵の具では着色しづらいので、カラーペンを用意し、色を塗らせましょう。
材料は?製作スケジュールは?
必要なものは、
- 平たい紙皿
- 輪ゴム2本
- カラーペン
- 折り紙
- のり
- 手を拭くぬれぶきん
- 穴あけパンチ
カラーペンで塗るのも、最初の内はうまくいかないかもしれません。
4,5日取れば、着色から飾り付けまで終わるのではないでしょうか。
製作のポイントは?
紙皿の着色が少し大変ですが、それさえ終われば飾りを貼るだけなので、子供たちも熱中してくれるでしょう。
様々な動物の鼻、耳のパーツを印刷して丸く切っておき、子供にクレヨンやカラーペンで塗らせてもいいですね。
来年も使える?持ち帰る?
けっこう時間がかかるので、子供たちも作品に愛着を持っているでしょう。
きっと家庭でもお面をかぶって遊んだりするはずです。
作った作品を通して、親子間でのコミュニケーションに役立ちますので、ぜひ持ち帰ってもらいましょう。
保育園の夏祭り製作ガイド!お神輿の作り方!
お神輿の作り方は?
お神輿というと、重くてがっしりしていて持ち上げるのが大変なイメージがありますよね。
でも最近は、段ボールなどの軽い素材で作れるお神輿もあるんです。
神様の乗り物を担いでねりあるき、みんなが元気に過ごせるよう頑張ろうと、声掛けして取り組ませましょう。
園児と一緒につくる場合の指導案は?
木材と土台となる板は、ホームセンターで切ってもらいましょう。
持ち手は子供1人分の幅を30から40センチと考えて、長さを決めるといいですね。
段ボール製のお神輿を担ぎ棒に固定する時は、段ボール下部に穴を小さく開け、ひもやワイヤーでしっかり固定します。
子供たちにお神輿のイメージを見せ、どんなデザインにするか話し合ってもらいましょう。
黒地に金色の、オーソドックスなものから、花神輿と呼ばれるものまでバリエーションはさまざま。
金色の折り紙や、お花紙を使うと装飾も楽しくなりますね。
材料は?製作スケジュールは?
材料は
- 木材
- 段ボール
- 針金かヒモ
- 折り紙
- お花紙
- 木材に巻く赤のビニールテープ
製作スケジュールですが、金色の折り紙を貼るのに苦戦するかもしれません。
お神輿のイメージを見せ、デザインを描かせてから取り組ませましょう。
念のため3週間前から始めると、余裕をもって準備できるはずです。
製作のポイントは?
神様の乗り物にふさわしい装飾を考えてもらいましょう。
一番上につける鳥の飾り、金の折り紙を貼るなど、工程も複雑です。
折り紙そのままで立体に張り付けることはできないので、細かくちぎって貼りつけるときれいに仕上がりますよ。
来年も使える?うまく保存するには?
段ボールに子供の製作をそれぞれ貼り付けるのであれば、記念として持ち帰らせましょう。
木材から本体を外して、倉庫などにしまってください。
湿っぽいところですと木材がかびるので、注意して保管します。
翌年の行事2か月前に状態確認もしてくださいね。
最後に
- ちょうちん自体は、七夕飾りの応用。画用紙と糸、はさみで作れるので、比較的安全に作業できる。
- 看板は段ボール製のものと、風船で作るものがある。看板は一度作れば、あとは飾るだけなので、風船と使い分けをする。状態さえよければ来年も使えるのが魅力。
- うちわは絵の具やのり、おりがみといった素材によって表現の幅が広がる。暑い時期に便利なので、持ち帰ってもらって思い出にしてもらうのが良い。
- お面は紙皿で作れる。目の所をくりぬいておけば、はさみでけがをすることもない。着色も楽しんで取り組んでくれるはず。
- お神輿は段ボールと木材でできる。お神輿本体に色を塗らせ、折り紙を貼らせる。お神輿の意味について触れられると良い。お花紙や子供の製作で飾っても盛り上がる。
夏祭りは用意するものや、連絡事項が多岐にわたり、茫然としてしまいますよね。
計画を立て、少しずつ仕事を割り当てていくことで乗り切っていきましょう。
また、仕事が多すぎて身動きが取れなくなる前に助けを求めることも忘れないでください。
先輩の先生方も、新人の先生にイライラすることがあるかもしれませんね。
でも話しかけやすい雰囲気を作ることで、思い込みによるミスややり直しが減り、結果として経費削減にもつながります。
暑くて大変な時期ですが、頑張って乗り切りましょう。
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