関西で蛍が見れる場所5選!その5:天野川周辺(滋賀県米原市)
滋賀県米原市長岡を流れる天野川周辺では、日本で唯一の蛍での特別天然記念物として指定された「長岡のゲンジボタル及びその発生地」を見ることができます。
特別天然記念物に指定されているだけあり、生息エリアが広く、数が多いのが特徴です。
天野川沿いの小川や水路など至る所で蛍を楽しむことができます。
毎年見頃の6月上旬には「天の川ほたるまつり」が開催され、期間中は会場周辺の散策道に蛍行灯が設置されます。
無数に輝くゲンジボタルの光とともに幻想的な世界に浸ることができます。
場所
滋賀県米原市長岡周辺
アクセス
電車
JR近江長岡駅より徒歩10分
車
北陸自動車道米原ICより約15分、名神高速道路関ヶ原ICより約20分
料金
無料
見頃の時期
6月上旬
鑑賞時間
20時~21時頃
駐車場
ルッチプラザ駐車場50台(無料)
蛍の生態は?ゲンジボタルとヘイケボタルの違いは?
蛍の生態
世界中にはおよそ2000種類以上の蛍が生息しているといわれており、日本にはそのうち約40種類ほどが生息しています。
とても種類が多いんですね。
蛍といえばお尻が光るものと思われがちですが、実は光らない蛍の方が多いのです。
日本にいる光る蛍としては「ゲンジボタル」や「ヘイケボタル」が有名ですが、これらは夜に活動する蛍です。
光らない蛍は昼間に活動しているので、光る必要がないのですね。
このゲンジボタルとヘイケボタルは、幼虫期を陸ではなく水中で過ごします。
そして卵から成虫へと成長するまですべての生態で発光するという、世界的には非常に珍しく希少な種類なのです。
卵から成虫になるまでには約1年かかります。
生涯のほとんどを水のなかと暗い土のなかで過ごします。
成虫になり私たちの前に美しい姿を見せてくれるのは、約2週間です。
非常に短命なのですね。
なぜ光るの?
蛍は、仲間同士で会話をしたり、オスとメスが愛をささやきあったりとコミュニケーションをとるために光っています。
オスの蛍は、暗闇の中で光を出して飛び回り、相手を探します。
メスの蛍は弱い光を発しながら、草や木の葉の上でじっとオスが来るのを待っているのです。
ゲンジボタルとヘイケボタルの光り方はそれぞれ異なるので、ヘイケボタルのオスがゲンジボタルのメスに近寄っていくことはありません。
うまくできているのですね。
蛍が光るしくみは、腹の先の部分にあるホタルルシフェリンという物質が、酸素と反応してルシフェラーゼという物質と一緒になると光が出るのです。
このようにして発生した光は、電球の光とは異なって、熱くはありません。
蛍鑑賞におすすめの時期は?時間帯は?
蛍の光は美しく見るものを魅了しますが、非常に短命のため、観賞時期がとても短いです。
短い場所では約1週間ほどなので、観賞に行く前には天候や蛍の発生状況などをよく確認してから出かけるようにしましょう。
関西の観賞スポットでは、早い場所では5月下旬から蛍が飛び始め、6月上旬から6月中旬にかけては多く場所で蛍を楽しむことができます。
ただ、蛍の種類や地域により発生時期は異なります。
ゲンジボタルは5月下旬~7月頃なのに対し、ヘイケボタルは6月~8月頃と時期がずれています。
また、その年の天候などによって時期は前後しますので、必ずその年の情報をチェックするようにしてくださいね。
蛍が活発に飛び交う時間は19時~21時です。
なかでも20時前後が最も活発に飛び回ります。
気候としては風が少ないこと、雨上がりで湿度が高く、蒸し暑い日はより活動的になります。
このような条件の日には、蛍が乱舞する姿を見られることが期待できます。
蛍鑑賞の注意点は??
普段、あまり身近に触れ合うことのない蛍ですが、観賞する際には蛍ならではの注意点があります。
観賞に行く前に一度チェックしておきましょう。
①懐中電灯やカメラのフラッシュなど光に注意
蛍は強い光を嫌います。
懐中電灯で照らしたり、写真撮影のためにフラッシュをたいてしまうと、光るのをやめて隠れてしまいます。
また、車のヘッドライトも非常に強力な光ですので、蛍のいる地帯に向けるのはやめましょう。
②虫よけスプレーを使わない
通常の市販されている虫よけスプレーや蚊取り線香を使うと、蛍が嫌がって飛ばなくなってしまいます。
虫刺され対策としては長そで、長ズボンを着用し、どうしても気になる場合は、天然由来のハッカの虫よけスプレーを使いましょう。
③蛍の生息エリアを汚さない
蛍が生息するには様々な環境と条件が整っていることが必要です。
川が汚れると蛍が棲めなくなってしまいます。
持ってきたゴミはきちんと持ち帰りましょう。
④草むらには入らない
蛍のなかには、草の上で弱いながらも光を発しながら、オスを待っているメスの蛍もいます。
むやみに草むらに入るとその蛍を踏んでしまう可能性もあるので、草むらのなかに入って行くのはやめましょう。
⑤大きな音を出さない
大きな音を出すと、蛍が逃げてしまうほか、近隣住民の方の迷惑になります。
観賞時間は夜間になりますので、お互い気持ちよく過ごせるよう静かに観賞しましょう。
⑥蛍を捕まえない
蛍は非常に短命で、美しく光っている蛍はあと数日しか生きられません。
自然のなかに生きる最後の姿を見守ってあげましょう。
また、観賞スポットでは地元の方が努力して蛍の生きられる環境をつくってくださっています。
むやみに持ち帰ることは絶対にやめましょう。
まとめ
■関西で蛍が見られるおすすめスポットまとめ
1:太閤園(大阪府大阪市)
落ち着いた日本庭園のなかで優雅なディナーと蛍が楽しめます。
2:新梅田シティ・中自然の森(大阪府大阪市)
アクセス抜群!梅田のど真ん中で蛍に出会えます。
3:ハチ北高原(兵庫県美方郡)
兵庫県内のすべての蛍が見られる貴重な観賞スポットです。
4:宇治市植物公園(京都府宇治市)
「蛍ナイター」で蛍と夜の植物が楽しめます。
5:天野川周辺(滋賀県米原市)
無数に光る特別天然記念物のゲンジボタルは圧巻です。
普段、身近で見かける機会は少なくなった蛍ですが、関西には気軽に行ける観賞スポットから、貴重な蛍生息スポットまで様々な場所があります。
ぜひ、気になった場所に出かけてみてください。
お出かけの際は、蛍が嫌がる光や大きな音は発しない、蛍の生息環境を汚さないなど観賞マナーを守って、来年以降も美しい蛍を見られる環境を維持していきましょう。
蛍は一生のうちのほとんどを水や土の中で過ごし、成虫になってからの寿命は約2週間です。
そして光ることによってオスとメスが互いに合図を送り、結ばれます。
そんな儚くロマンティックな蛍の光に思いを馳せながら、素敵な初夏の思い出づくりに出かけてみてください。
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