「卒塔婆」とは、「追善供養のために経文や題目などを書き、お墓の後ろに立てる塔の形をした縦長の木片」のことです。
塔婆を立てることが“善”とされており、「塔婆を立てる=善を積む」といった行いによって、故人の冥福につながると考えられています。
また、故人への善だけではなく、自分自身の“善い行い”としても推奨されています。
卒塔婆を付けてもらうには、御供物料とは別に「卒塔婆料」として参列者に納めていただく必要があります。
金額の相場は3,000円~10,000円が一般的ですが、卒塔婆の有無を参列者にたずねる場合には、事前に料金を把握しておくことをおすすめします。
また、宗教・宗派によっては卒塔婆を用いないこともありますので、事前にお寺などに確認しましょう。
それでは、「通常のハガキ(卒塔婆あり)」と「往復ハガキ(卒塔婆なし)」の2つの例文をご紹介します。
なお、「御出席」の後ろの「( 名様)」は、ご家族宛てに送る場合や企業宛てに送る場合に使用しますので、個人に送る場合は不要です。
①通常のハガキ(卒塔婆あり)
御 出 席 ( 名様)
御 欠 席
(どちらか一方に○を付けてください)
御住所
御芳名
おそれいりますが御卒塔婆をお付けいただける場合には下記にお付けいただく方のお名前をご記入下さい
卒塔婆に記載する御芳名
②往復ハガキ(卒塔婆なし)
御 出 席
御 欠 席
(どちらか一方に○を付けてください)
御住所
御芳名
※お手数ですが中央にて切り取り こちら側のみポストに投函ください
新盆(初盆)の案内状の返信の仕方
親族や身内だけの法要であれば、電話やメールで出欠の連絡をしても失礼にはあたりませんが、友人・知人である故人のご家族からの案内状や新盆(初盆)の案内状が届いた際には、返信をする際にも心配りをすることが大切です。
また、案内状が届いたら速やかに返信をする必要があります。
①出席の場合
返信用のハガキの裏面に「御出席」と記載されていれば、「御」を二重線で消し、「出席」の2文字を○で囲み、「御欠席」の文字をすべて二重線で消します。
そして、「御住所」の「御」、「御芳名」の文字をすべて二重線で消します。
さいごに、表面の喪主である方の氏名が「○○行」となっていれば、「行」を二重線で消し「○○様」と記入します。
もし、返信ハガキにコメント欄や十分な余白があれば、
など、一文を添えておくと心配りとなります。
②欠席の場合
出席の場合と同じく「御欠席」の「御」と、「御出席」の文字のすべてを二重線で消します。
そして、「御住所」の「御」と「御芳名」の文字すべてを二重線で消します。
さいごに、喪主である方の氏名「○○行」を「○○様」に変更します。
欠席をされる場合には、「ご冥福を祈る一文」と「欠席の理由(都合がつかず出席することが出来なくなりました。等)」を添えて返信をすることが大切です。
また、返信ハガキとは別にお詫びのお手紙を送るとより丁寧な対応です。
なお、欠席の際に香典を郵送する場合は、現金書留で5,000円程度を包むのが無難です。
新盆の仏壇の飾り方は?
新盆(初盆)を迎えるにあたり、仏壇の準備も必要です。
お盆に仏壇を飾りつけする飾付のことを「盆棚(ぼんたな)」「精霊棚(しょうりょうだな)」「盆飾り(ぼんかざり)」などと呼び、ご先祖さまをおもてなしする意味を込め、仏壇を飾り付けします。
それでは、新盆(初盆)ならではの飾り方など、仏壇を飾るときに気を付けたいポイントをいくつかご紹介いたします。
新盆(初盆)ではなるべく豪華に!
仏壇の飾り方は、「祭壇」「平面」「簡易版」の3通りありますが、新盆(初盆)では、盆棚飾りはなるべく簡易版ではなく、祭壇や平面などの正式版で豪華に飾りましょう。
そして、仏壇を飾る場所は、窓側にするのが良いとされています。
また、新盆(初盆)では、初めて帰ってくる故人が迷わないようにするため、「つり提灯(白提灯)」を用意するのが一般的です。
宗派や宗教によって飾るものが違う?
新盆(初盆)での仏壇の飾りつけにおいて、つり提灯(白提灯)以外は「盆棚(精霊棚)」やお供え物をふくめ、通常のお盆と大きな違いはありません。
しかし、宗派や宗教によってお供えするべきものや飾るものが異なりますので、「盆棚(精霊棚)」を準備する前に自身の宗教や宗派を把握し、どのような飾りつけをするのか、調べておくのがおすすめです。
特に、浄土真宗は盆棚を作らないので注意が必要です。
また、インターネットや仏具屋さんでは新盆(初盆)」で飾るお供え物がセットになった「盆棚飾りセット」を販売しています。
料金によってセット内容が異なりますので、用途に合ったものを選ぶことができます。
まとめて盆棚飾りをそろえたい方にはおすすめです。
盆棚飾りは、基本的な飾り方はありますが、“必ずこうしなければならない”というものはありません。
大切なのは「故人を快く迎えたい」という気持ちなので、できることから準備を進めましょう。
新盆のお布施はいくら?のしは?
新盆(初盆)のお布施の相場は?
新盆(初盆)に限らず、法要の際に僧侶を招いて読経してもらった時に、謝礼としてお渡しする「お布施」。
お布施は、あくまでも“お礼”という意味合いが強いため、明確に金額が決まっているわけではありません。
仏様への感謝の気持ちを金額に変えて包むのが基本とされていることから、金額についてお寺に尋ねても、お寺から金額を提示されることはあまりありません。
しかしながら、新盆(初盆)は故人が初めて迎えるお盆であり、特に重要な供養だと考えられている事から、通常の法要より入念に供養を行ってくださるため、相場を正しく理解し相応の金額を包むことが大切です。
また、一般的に盛大に行われることが多い新盆(初盆)の法要と通常のお盆では、お布施の相場にも違いがあります。
新盆(初盆)のお布施の相場は、3万円~5万円程度を包むのが一般的です。
通常のお盆の相場は、5千円~2万円くらいなのですが、前述したとおり、通常のお盆と比べて特別な法要とされ、大掛かりな法要になることが多いことから、お布施の金額も高めになっています。
なお、お寺の本堂や集会場をお借りして新盆(初盆)の法要を行った場合、お寺の方が飲み物やお菓子を配ってくださる場合があります。
この場合は、相場より少し多めにお布施を包むのがおすすめです。
そして、忘れてしまいがちですが、お寺以外で法要を行う場合「お車代」を“お布施とは別に”お渡しする必要があります。
相場は5千円~1万円が一般的で、足を運んでいただいたお礼の意も込め、実際にかかる交通費よりも多めに包みます。
また、法要の後に食事会を行わない場合や僧侶が食事会を辞退された場合は、「御膳料」も別でお渡しします。
御膳料は5千円~2万円が相場です。
お布施を準備する際には、状況に応じて「お車代・御膳料」も忘れずに準備をしておきましょう。
お布施を渡す時にのしは?
通常、慶弔事でお金を包む際には“のし袋”を使用しますが、「お布施」「お車代」「御膳料」を包む場合には、“のし袋”は使わず、白くて無地の新しい封筒を使用します。
案内状の封筒と同じように、不幸が重なるという意味を持つことから、内袋がついた二重封筒は避けるのが一般的です。
表書きのポイントは?
封筒を準備したら表書きをしますが、「お布施」「お車代」「御膳料」と記入する際には、“薄墨”ではなく“黒墨”を使用します。
香典で“薄墨”を使用するのは、
という意味合いが込められているためです。
しかし、新盆(初盆)はすでに決まった日程で行われ“薄墨”を使う理由がないため、“薄墨”は避け“黒墨”を使用しましょう。
また、表書きをする際には、ボールペンやシャープペンシルで書くのは避けるのがおすすめです。
これらの筆記用具を使用すると、気持ちがこもっていない様に見えてしまい、僧侶に不快な思いをさせる可能性があるためです。
また、文字が消えやすい、読みにくいという理由も挙げられます。
また、「お盆」という時期で、僧侶は数多くの檀家さんを回っています。
ひと目見て分かりやすいように“筆ペン”で表書きをしましょう。
封筒の書き方
お布施の表書きには、「お布施(御布施) ○○(名字)」のように、上から下へ一列で収まるように名前も記入します。
喪主か施主の名前を書きますが、名字もしくはフルネームで記載します。
名字のみ書く場合は「○○家」とするとより丁寧です。
また、フルネームで書きたい時は、名字と名前を2列にわけ、真ん中より少し右にずれて名字、その左側に名前を記入します。
裏面には特に何も記入する必要はありません。
しかしお寺や僧侶との親交が無かった場合には、裏面に名前や住所、電話番号を記載しても問題ありません。
また、お布施の金額を記入しなくても失礼にはあたりませんが、金額を記す場合には“1”や“3”などのアラビア数字ではなく、“壱“や“参“のように旧字体の漢数字を使用して記入します。
お車代や御膳料を包む場合にも、お布施と同様に“白い封筒”に“黒墨”で表書きを記しますが、施主の名前の記載は不要です。
もし、名前を記載したい時には、裏面に住所や電話番号と共に名前を書きます。
また、お布施と同様に金額の記載も不要ですが、書く際は旧字体の漢数字を使用しましょう。
お布施を渡す時のポイント
お布施は封筒にお金を入れて手渡せば良いわけではなく、重要な法要であるためマナーを守った渡し方を心掛けます。
まず、封筒にお金を入れる際のポイントですが、“封筒から取り出した際にすぐに肖像画が見えるよう”に、封筒の表書きの方にお札の表(お札の顔がある面)を向け、肖像画が上に来るように入れます。
続いてお布施を渡すタイミングですが、法要が終わったあと帰る準備をする前にお渡しするのが一般的です。
ただ、お盆の時期は僧侶も忙しいことが多く、読経が終わるとすぐに帰ってしまう事もあるため、法要が始まる前に渡す場合もあります。
この時、
など、挨拶を添えてお渡しします。
また法要後に渡す場合も
とお礼の言葉を添えて渡しましょう。
最後にお渡しの仕方ですが、直接封筒を持って手渡しするのはマナー違反とされているので、「切手盆」と呼ばれるお盆、もしくは「袱紗(ふくさ)」の上に乗せて渡します。
どちらを使用しても失礼にはあたりませんので、用意できる法を使うのがおすすめです。
もし、お布施以外にお車代や御膳料を一緒に渡す場合には、一番下に“御膳料”、真ん中に“お車代”、一番上に“お布施”の順で乗せます。
そしてお渡しする際には、「お布施」の文字が僧侶から見て正面に来るようにするのがポイントです。
さいごに
新盆(初盆)についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?
今回お伝えした内容を以下にまとめたいと思います。
- 新盆とは、「“忌明け”を迎えた故人が初めて迎えるお盆」のことで、一般的には盛大に催される法事です。
- 2020年のお盆は、地域によって異なり、
- 7月盆 (新盆)なら「7月13日(月)~7月16日(木)」
- 8月盆 (月遅れ盆/旧盆)なら「8月13日(木)~8月16日(日)」
- 旧暦盆 (旧暦7月15日)なら「8月31日(月)~9月2日(水)」に行われます。
- 服装は、葬儀と同じ「喪服」を着用するのが一般的ですが、少しカジュアルな「平服(略喪服)」を着用する場合もあります。
- 新盆(初盆)の案内状は、できれば日程が決まり次第、遅くても法要の日の1ヶ月前までには送付します。
- 案内状を作成するにあたり、書き方と気を付けたいポイントをご紹介しています。
- 案内状の返信ハガキの書き方について、詳しくご紹介しています。
- 新盆(初盆)の時、仏壇の飾り方はできるだけ豪華にしますが、宗教によって飾るものが異なります。
- 新盆(初盆)のお布施の相場は、3万円~5万円で、のし袋は使用せず白い封筒に包みます。
- お布施を僧侶にお渡しする際は、手渡しせず「切手盆」か「袱紗」に乗せてお渡しします。
新盆(初盆)は、普段のお盆よりも入念に行われます。
準備をするべきことや気を配るべきことがお盆よりもたくさんありますので、初めて新盆(初盆)の法要をされる施主の方でも、早めの事前準備を行えば安心して法要の日を迎えることが出来ます。
今回ご紹介したことを念頭に、きちんと新盆(初盆)を迎えられるようしっかりと準備をして、故人の初めてのお盆をお迎えください。
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