故人にとってもご家族にとっても、大切な法要である「新盆(初盆)」。
生前お世話になった方の新盆(初盆)の法要に招かれた際には、これまでの感謝の意をこめて供養をしたいものです。
法要の流れは様々ですが、お線香をあげる機会も多いと思います。
そこで今回は、新盆(初盆)の際に気を付けたい「お線香のマナー」についてまとめたいと思います。
法要に招かれた際のお線香のあげ方と本数について、お供え物としてのお線香の贈り方、そしてお線香をいただいた場合のお返しについて詳しくご紹介いたします。
新盆のお線香マナーまとめ!あげ方は?
新盆とは?
「お盆」とは、年に一度家に帰ってくるとされる故人を迎える、古くから伝わる大切な行事のひとつです。
その中でも、故人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のことを「初盆(はつぼん・ういぼん)」や「新盆(にいぼん・しんぼん)」といい、一般的にはより丁寧な供養が行われることが多く、知人・友人や故人と縁の深い方をお招きして食事をふるまい、お坊さんに読経をしてもらう“特別なお盆”です。
故人が亡くなって初めて迎えるお盆ではありますが、“忌明け(四十九日)”以降に初めて迎えるお盆を初盆“としますので、お盆の数日前に亡くなられた場合は、翌年に迎えるお盆が初盆となります。
また、お盆の時期は地域によって異なりますので、贈り物をしたいとお考えの方は、事前に確認をしておくと安心です。
(2020年の新盆の時期は下記の表の通りですので、参考にご覧ください)
2020年のお盆時期 | ||
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7月盆 (新盆) | 7月13日(月)~7月16日(木) | 【一部地域】 東京・神川・静岡・北海道・石川県 |
8月盆 (月遅れ盆/旧盆) |
8月13日(木)~8月16日(日) | ほぼ全国(一部地域を除く) |
旧暦盆 (旧暦7月15日) |
8月31日(月)~9月2日(水) | 沖縄・奄美地方・中国地方・四国地方・九州地方 |
お線香をあげる手順
特別なお盆である新盆(初盆)の法要に伺った際には、正しいマナーでお線香をあげたいですよね。
宗派によって、多少の違いはありますが、基本的には手順は下記のとおりです。
また、法要の流れはそのご家庭により様々ですので、ここでは「仏壇でのお線香のあげ方」と「お墓でのお線香のあげ方」をそれぞれご紹介いたします。
①仏壇でのお線香のあげ方の手順
- 「お線香をあげさせていただきます」とご家族にご挨拶をします。
- 左手に数珠を持ちます。
- 周囲の方に一礼をし、仏壇の前に座ります。
- 仏壇へ一礼・合掌。
- (ろうそくに火がついていない場合)ろうそくに火をつけます。
- 右手でお線香を持ち、ろうそくの火でお線香に火をつけます。(本数や置き方については後程ご紹介いたします)
- お線香に火がついたら、火が上になるようにお線香を垂直にして火を消します。もしくは、左手で軽く仰いで火を消します。
- 香炉にお線香を置き、合掌し祈ります。
- 遺影に一礼し、仏壇の前を離れます。
- ご家族に一礼します。
【動画】弔問の作法/小さなお葬式 公式
②お墓でのお線香のあげ方の手順
- お墓の前で軽く一礼します。
- 花立に水を入れて生花を添えます。
- 故人の好物だったお菓子や果物などをお供えします。
- (ろうそくに火がついていない時は)ろうそくに火をつけ、ろうそくの火からお線香に火をつけます。
- お線香に火がついたら、火が上になるようにお線香を垂直にして火を消します。もしくは、左手で軽く仰いで火を消します。
- 香炉にお線香を置き、合掌し祈ります。
- お墓の前で一礼します。
【動画】お墓参りの仕方 (掃除の仕方も掲載されています)
お線香をあげるときに気を付けたいこと
続いては、お線香をあげる際に気を付けたいことをご紹介いたします。
仏壇にお線香をあげる場合でも、お墓参りの際にお線香をあげる場合でも、気を付けたい事項ばかりです。
事前に確認をしておくと、正しいマナーでお線香をあげることができるので安心です。
1 お線香にマッチやライターなどで火をつけない
お線香に直接火をつけることはマナー違反とされていますが、墓石でお線香をあげる時や、安全面を配慮した時は、お線香専用のチャッカマンが置いてある場合があります。
その際は、チャッカマンから直接火をつけても無作法とはなりません。
2 お線香やろうそくに息を吹きかけて火を消さない
人間の口は、不浄なものを飲み食いし、時として悪口を言うこともあることから、穢れのあるものとされている為、仏様・ご先祖様にお供えをするものに、穢れのある口から出た息を吹きかけることは、無作法だとされています。
3 【仏壇】お線香をあげるだけの時は「リン(鐘)」を鳴らさなくてもよい
宗派によっても違いがありますが、お線香だけ上げる場合には、「リン(鐘)」を鳴らさなくても問題ありません。
仏壇に向かった際には鳴らす方も多いかと思いますが、“「リン(鐘)」は読経中に鳴らすもの”とされているため、読経をしない時には「リン(鐘)」は鳴らさなくても不作法ではありません。
4 【仏壇】座布団を足で踏まない
座布団には“お客様を敬い、もてなす”という気持ちが込められています。
仏壇の前に座布団が置かれている事が多くあると思いますが、その座布団を足で踏んでしまうということは、おもてなしの心を踏みにじることになってしまいます。
座布団に上がる際には、膝行(しっこう)つまり、膝頭を使って仏壇の前に進むようにするのが、正しいマナーです。
5 【お墓参り】お供えした食べ物は必ず持ち帰る
食べ物をそのままにしておくと動物などによってお墓を荒らされてしまう可能性があるため、生花以外のお供え物は必ず持ち帰るようにしましょう。
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