また、お供えしたお線香も持ち帰るように決められている墓地や霊園もありますので、お供え物の取り扱いを事前に確認しておくと安心です。
6 【お墓参り】お線香の火が消えたのを確認してから帰る
お線香の火がついたまま帰ってしまうのは、火事の危険性もあるため好ましくありません。
必ず火が消えたことを確認することが大切です。
また、お線香が燃え尽きるまで墓前にいられない場合は、お線香の火を消したうえ残りは持ち帰りましょう。
新盆のお線香の本数に決まりはあるの?
先ほども少し触れましたが、お線香のあげ方は宗派によって違いがあります。
主に「お線香の本数」「お線香を折るか折らないか」「香炉へのお線香の置き方」の3つです。
下記の表を参考にご覧ください。
宗派 | 本数 | 折るか折らないか | 置き方 |
---|---|---|---|
浄土真宗 | 1本 | 折る |
折って2本にしたお線香にまとめて火をつけ横に寝かせます。 |
浄土宗 | 1~3本 | 折らない |
火をつけたら香炉の真ん中に立てます。(但し、お線香を2つに折って寝かせる場合もあります) |
曹洞宗 | 1本 | 折らない | 火をつけたら香炉の真ん中に立てます。 |
日蓮宗 | 1本 | 折らない | 火をつけたら香炉の真ん中に立てます。 |
天台宗 | 3本 | 折らない |
3本とも火をつけたら1本を手前側に、2本を仏壇側に立てます。香炉の中で逆三角形になる様にします。 |
真言宗 | 3本 | 折らない |
3本とも火をつけたら1本を手前側に、2本を仏壇側に立てます。香炉の中で逆三角形になる様にします。 |
臨済宗 | 1本 | 折らない | 火をつけたら香炉の真ん中に立てます。 |
お線香をあげる際には、故人やそのご家族の宗派にならうのがマナーです。
特に、「浄土真宗」ではお線香を折り寝かせて香炉に置きますので、香炉の幅に合わせた短いお線香をお使いの場合があります。
その際は、折らずに火をつけて寝かせて置きます。
「天台宗・真言宗」ではこちら側から見て“逆三角形”になる様に立てて置きますので、その他の宗派の方は注意が必要です。
お線香のあげ方が不安な方は、前にお線香をあげた方にならってあげたり、ご家族の方に事前に伺っておくと安心です。
新盆の線香の贈り方や渡し方は?のしは?
新盆(初盆)の法要に参列する場合には、香典や提灯代、線香代を持参するのが一般的です。
しかしながら、法要に参加できなかった場合や、香典が不要と言われた場合などには、お供え物としてお線香を選ばれる方も多いと思います。
そこで、お線香の贈り方や渡し方、選び方についてご紹介いたします。
お線香を贈る意味とは?
お線香を贈ることは、古くから伝わる日本の風習のひとつです。
お線香の香りは、故人となった方の食べ物とされていることや、香りによって法要に訪れた方の心身を清めるという考え方もあることから、お線香をお供えすることは、仏様にとって最も良いご供養であるとも言われています。
また、お線香をあげる行為そのものが、お線香をあげる人と故人や仏様との心をつなげる事とも言われ、お線香の煙を通して故人や仏様とお話をする機会になるとも考えられています。
お線香の良い香りで心身を落ち着けて、故人や仏様とゆっくりと向き合い、お話をすることが大切だといわれています。
お線香の贈り方
新盆(初盆)にお線香を贈る際は、必ず「左から開くように」包装紙で包み、掛紙(のしのこと)をかけましょう。
掛紙(のし)の表書きは、地域によって様々なものがありますので、専門店や購入店で相談するのがおすすめです。
表書きの例としては下記の表のとおりですが、新盆では「御供」「御供物」や「新盆御見舞」などが一般的です。
ご霊前・御霊前 | 亡くなられて49日まで(浄土真宗では使いません) |
---|---|
ご仏前・御仏前 | 亡くなられて49日を過ぎてから |
御供・御供物 | 亡くなられた日にちに関係なく使える(一般的によく使われます) |
新盆御見舞・新盆御供 | 新盆を迎えるお盆期間に使う |
そのままお供えしていただきますので、贈り主の名前をきちんと記しておくことが大切です。
苗字だけだと分からなくなってしまう可能性もありますので、フルネームで記すのがおすすめです。
また、会社や友人など数名で贈る場合は、「○○一同」とします。
ご夫婦で贈る場合はご主人のお名前を記すのが一般的ですが、奥様も故人と親しかった場合には、連名で記すこともあります。
なお、お線香を贈る際には一言挨拶を添えてお渡しするのがおすすめです。
メッセージカードを用意してくれるショップもありますので、確認してみてください。
ご挨拶には、ご冥福を祈る旨と同封のお線香をお供えしてほしいといったことを記載するのが一般的です。
お線香の渡し方
法要に伺った際に、お供えものとしてお線香をお渡しする場合は、「ご仏前へお供えください」と一言添えて、ご家族の方に手渡します。
直接仏壇にお供えするのではなく、先方へお渡しするのが正しいマナーですので注意が必要です。
また、法要に参加できなかった場合は、お供えもののお線香を郵送しても問題ありません。
お線香を郵送する場合は、メッセージを添えて送るようにしましょう。
ご冥福を祈る旨、お線香を同封している旨、お供えしてほしい旨などを記載するのがおすすめです。
なお、法要の案内状が届いていた場合は、欠席する旨のハガキとは別にお線香を郵送すると丁寧です。
お線香の選び方
さまざまなお線香の種類がある中で、お供え物としてお線香を選ぶ際に気を付けるポイントとして、「箱」「価格」「香り」「煙」「お線香の長さ」の5つが挙げられます。
それぞれのポイントをチェックして、お供え物にふさわしく、気持ちのこもったお線香を選んでみてください。
お線香の選び方:箱
お線香をお供えものとして贈る場合には、スーパーなどで売っている“家庭用”ではなく、“進物用(しんもつよう)”であることが大切です。
進物用線香は、塗箱や桐箱に入れられたお線香で、仏具専門店やネットショップなどで購入することができます。
お線香の選び方:価格
進物用線香は、2千円前後~1万円前後と価格の幅は広く、質や香り、箱の材質によって価格が変わります。
その中でも、一般的な相場は2千円~4千円ほどですので、故人との間柄やご自身の予算に合わせて選んでみてください。
お線香の選び方:香り
お線香の香りは、たくさんの種類がありますが、人によって好みがありますので、オーソドックスな香りを選ぶのがおすすめです。
中でも、白檀(びゃくだん)は、爽やかな甘い香りで、気持ちを落ち着かせる効果もあることから、良く選ばれる香りのひとつです。
その他にも、桜や梅、ラベンダーなど花の香りも人気が高くおすすめの香りです。
お線香の選び方:煙
お線香には、煙が“多いもの”と“少ないもの”があります。
お墓にお供えする場合には、お線香の煙を故人に届けるため、煙が“多いもの”を選ぶことが多く、仏壇に供える場合には、住宅状況も配慮し、煙が“少ないもの”がよく選ばれています。
法要を行う場所によって、煙の量を選ぶのがおすすめです。
お線香の選び方:お線香の長さ
お線香の長さも様々あり、「7㎝のミニ寸」「14㎝の短寸(たんすん)」「16㎝の中寸(ちゅうすん)」「25㎝の長寸(ちょうすん)」などが一般的です。
燃焼時間は、ミニ寸で13分弱、短寸で25分程、長寸で50分程度。
一般的に広く使われているのは、短寸(14㎝)ということもあり、短寸やミニ寸が人気です。
新盆の線香のお返しは?
新盆(初盆)の法要の際にお供えものをいただいた際には、法要の当日もしくは、後日にお礼の品をお渡しするのが一般的です。
返礼品は、いただいた品物の半額~3分の1程度の金額が相場と言われていますが、お線香をいただいた場合に関しては「お礼不要」と言われています。
頂いたものが3千円以下であれば、ありがたくいただき、お返しは必要ありません。
また、3千円以上のものであれば、お菓子などの返礼品を半額~3分の1程度の金額でお返しすることも可能ですが、お礼状のみでも失礼にはあたりません。
しかしながら、「お気持ちでお線香をいただいているので何かお返しを」とお考えの方は、香典返しとしてではなく、お相手の方が気遣いをしない程度のお菓子などにお礼状を付けて郵送すると、丁寧なお返しとなります。
お線香の相場は2千円~4千円ですので、2千円程度のものを選ぶと安心です。
また、返礼品には「消えもの」と言われる、お菓子や食品などがよく選ばれています。
さいごに
新盆(初盆)の法要の際に気を付けたいお線香のマナーについてご紹介してまいりました。
ご紹介した内容は、
- 故人が亡くなり“忌明け(四十九日)”以降に初めて迎えるお盆を初盆という
- 仏壇でのお線香のあげ方の手順
- お墓でのお線香のあげ方の手順
- お線香をあげるときに気を付けたいこと
- お線香にマッチやライターなどで火をつけない、お線香やろうそくに息を吹きかけて火を消さない
- お線香をあげるだけの時は「リン(鐘)」を鳴らさなくてもよい、座布団を足で踏まない
- お供えした食べ物は必ず持ち帰る、お線香の火が消えたのを確認してから帰る
- お線香のあげ方や本数は宗派によって違いがある
- <浄土宗・曹洞宗・日蓮宗・臨済宗>1本のお線香を折らずに火をつけ、香炉の真ん中に立てる
- <天台宗・真言宗>3本のお線香を折らずに火をつけ、香炉の中で逆三角形になるように立てる
- <浄土真宗>1本のお線香を折り、2本まとめて火をつけ、香炉に寝かせる
- 法要に参加できなかった場合や、香典が不要と言われた場合には、お供え物としてお線香を贈ることがある
- お線香をお供えすることは、仏様にとって最も良いご供養であるとも言われている
- お線香を贈る際は、必ず「左から開くように」包装紙で包み、掛紙をかける表書きの例としては、新盆では「御供」「御供物」や「新盆御見舞」などが一般的
- 法要に伺った際に、お供えものとしてお線香をお渡しする場合は、先方へお渡しするのが正しいマナー
- 法要に参加できなかった場合は、お供えもののお線香を郵送しても問題ない
- お線香は、「進物用」で「2千円~4千円ほどのもの」で、「白檀」や「花の香り」が人気
- 室内なら煙が少ないものを、屋外なら煙の多いものが、長さは短寸やミニ寸がよく選ばれている
- お線香をいただいた場合に関しては「お礼不要」
- ただ、香典返しではなく気持ちでお返しをするのは問題ない
でした。
新盆(初盆)の法要では、分からないことも多く戸惑ってしまう事もあると思いますが、この記事を参考にしていただけたら幸いです。
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