ほとんどの学校では、雨が降っていても授業の前に晴れれば予定通りにプール授業を開催する学校が多いです。
楽しみにしているプール授業ができないかもしれないとなると子どもたちにとっては不安になってしまいますが、授業の時間はどうにか晴れてくれることを祈ることしかできないのがもどかしいですね。
猛暑の場合はプールの授業は開催する?プールで遊んでいても熱中症になる?
夏の暑さは地域によって差がありますが、暑い夏にプールに入ると涼しくなりますよね。
そして、猛暑となればよりプールに入って涼みたいと思いますが、実は猛暑のプールは危険と隣り合わせなのです。
熱中症予防のため、昨日今日は小学校のプール開放が中止との連絡。
プールの中に入っていても汗をかいて、熱中症になるリスクがあるとは知らなかった。
室内のプールでもこまめな休憩と水分補給が大切とのことなので、プール行く人は気を付けてね。
— なかしん (@aruka0106) July 24, 2018
プールに入れば熱中症を予防できそうな気もしますよね。
最近では猛暑を理由にプール授業を中止する学校が増えてきました。
その中止の理由には「プール熱中症」という熱中症が関係しています。
プール熱中症
あまり聞きなれないプール熱中症ですが、こどもがなりやすい理由が2つあります。
- 水分補給を忘れがち
- 楽しみすぎて暑さに気付かない場合も
まず、水分補給ですが、子どもは遊びに夢中になるとのどが渇いていることに気付けない場合が多く、水分補給をしない場合があります。
そして、その状態でプールを楽しむことに熱中してしまうと、暑さにも気づけなくなり、プールから出た後もプールサイドでのぼせた状態になってしまい、そのまま熱中症になってしまう場合があります。
プール授業中止の基準は?
プールで子どもが熱中症にならないようにするには、子どもを危険から守る必要があります。
また、水分補給を促したとしても、子どもはプールなどの水に浸かっていると水分を摂取していると勘違いしてしまうことが多いのです。
そのため、熱中症から子どもを守るためにプール授業を中止する学校が増えてきています。
そして、プール熱中症になりやすい天候が以下の通りです。
- 水温+気温が65度以上
- 気温が35度以上
- 8月
- 水温が30度以上
この条件が複数揃うと熱中症になるリスクが高まります。
子どもたちは猛暑日ほどプールで涼みたいと思いますが、屋外にプールが多い学校では子どもたちの安全を最優先するとプール授業を中止した方がいいという判断になるのです。
プールを楽しみにしてがっかりしている子どもには危険があることや理由をしっかり説明してあげる必要がありますね。
プールの事故に注意!学校のプールの授業で注意するポイントは?
平成24年度から平成28年度の5年間だけでも小学校のプールで9件も起きているのが死亡事故です。
小学校から高校までのプールに関する死亡事故の36%を占めています。
また、傷害事件となったものは8件あり、全体の28%を小学校で占めています。
実際の事故の事例
実際に平成30年に小学校のプールで起きた事例を紹介します。
福島県の小学校で2年生の授業中にビート板を使ってバタ足で泳ぐ練習をしていたところ、ゴール付近で沈んでいる状態の児童を別の児童が発見し、病院に搬送されたが意識不明の重体だった。
教員2名で安全確認を行っていたが、そのうち1名が目を離していて、全体を見渡せるプールサイドには教員がいなく、安全管理が不十分だった。
教員が気を付けること
学校やスポーツに関する事故を受けてシンポジウムでは事故を防ぐための予防法が提案されました。
上記のような事故から教員が気を付けなければいけないことは次の2点です。
- 死角となる場所を把握する
- 監視の限界を補う
クラス単位でのプールの授業では、教員から監視できる範囲には限界があります。
水面や天候によって死角は変化します。
そのため、1度の死角の確認だけではなく、死角のチェックを何度も行い、移動しながら監視をすることが大切です。
また、監視をする教員がどれだけいても自由に動く子どもたちを監視するのは難しく、限界があります。
そこで、教員だけではなく生徒と協力し合って、ちょっとでも異変があればすぐに報告させたり、コースやルールをしっかりと決めたりという工夫が必要です。
さらに、最近ではプールを監視してくれるシステムもあるので、教員だけで補えない部分を監視してくれたら教員や保護者にとってもより安心感が増します。
それでもシステムに頼らず、危機感を持って監視をすることがもっと大事ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここで、小学校のプール授業の開催基準や事故を防ぐための注意点についておさらいです。
- プール授業の開催基準は水温が22・23℃以上、さらに気温が水温よりも高いこと
- 雨に濡れて体温が奪われないように授業を中止する学校が多いが、授業数などで小雨なら開催する学校も
- 授業の前に晴れれば雨のち晴れでも授業を行う場合がほとんど
- 水温が30℃以上、気温が35℃以上は熱中症の危険があるため中止する学校がほとんど
- 教員は監視の死角を把握し、子どもたちと協力して監視できない場所を減らす工夫が必要
子どもたちがプール授業を楽しむためには、安全性を高める必要があります。
安全に授業ができるようなある程度の基準はありますが、最終判断は学校に任されています。
子どもの命を守り、安全に授業をするためには教員がしっかり監視をすることが大切です。
子どもたちが楽しみにしているプール授業が悲しい結果にならないように教員ができることを最大限やってあげたいですね。
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