人権作文の課題が出ると、「人権」という言葉が先立ってしまい、頭を抱えてしまう場合が多いと思います。
人権については、意外と身近なところにあって、学校、地域、日頃の生活にもたくさん潜んでいます。
日常で、それらを「人権に関すること」と認識していないだけなのです。
さて、人権作文で環境問題をテーマにすることについてちょっとピンとこない人もいるでしょう。
なぜって、「環境問題って、人権問題なの?」と、直接関係が内容にも思えますよね。
でも、環境問題は立派な人権問題なんです。
人権とは、わたしたちの生存価値です。
生存を脅かす環境問題は、私たちの人権を守る上でとても重要な問題です。
ここでは、環境問題で人権にどのような影響を及ぼすのか、また人権作文をどのようなテーマで書いていけば良いかを紹介します。
- なぜ夏休みの宿題で人権作文があるの?狙いは?
- 人権作文の書き方のコツは?
- 環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その1:地球温暖化
- 環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その2:海洋汚染
- 環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その3:森林の減少
- 環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その4:プラスチック汚染
- 環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その5:オゾン層破壊
- 人権作文 環境問題のまとめ
なぜ夏休みの宿題で人権作文があるの?狙いは?
人権とはどんなものか
はじめにも簡単に説明しましたが、人権問題はわたしたちが日常生活で受けている不快な問題です。
ただ私たちは、それを人権と結びつけて考えることがないだけで、意外にも他人だけの問題と軽視しがちです。
例えば、いじめといった人権問題は学校や地域でもみられ、とても身近な問題です。
いじめは、個人の固定観念や偏見によって、他人の人権を侵害することですね。
人権に関するテーマでよく挙げられるのは、いじめ、障害のある人への侵害、病気の人に対する視線などです。
人権作文の狙い
10代の若いうちに、人権問題について考えることは大変重要です。
中学に進学したばかりの中学1年生は、まだまだ小学生気分が抜けない人もたくさんいるでしょう。
友人と世間話をしている最中に、人を傷つけるつもりはなくても、人権侵害をする言葉を使っていることがよくあります。
よく耳にするのは、人を馬鹿にしたり卑下する言葉です。
どれも学校や公園などある程度の人数が集まるところでよく聞く言葉ばかりです。
中学生になったら、自分たちは大人の仲間であり、言葉一つ間違えると、他人の人権を侵害する問題になることを認識することが大切です。
これから自分たちが住みやすい社会を築いていくことができるように、今から身の回りのことに目と耳を傾けることが大変重要なのです。
人権作文の書き方のコツは?
まず人権作文に書くべき内容を押さえましょう。
以下の内容について整理し、ノートに書き出していきます。
問題提起 | 自分が体験したこと 又は、見たり聞いたりしたこと |
---|---|
考え・意見 | 体験を通じて、自分がどのように感じたか、また何を思ったのか |
解決方法 | 今後はどのようにしてゆくべきなのか |
まずこの3点について、いくつか箇条書きにしていきます。
例えば、
- 友達が「お前クラスで一番ブスだな」と、女の子に対して見下す言い方をしていた
- 翌日からその子は塞ぎ込むようになってしまい、学校を休みがちになった
- クラスでは、それを聞いて笑っている人と、黙って見ている人がいた
その後、
その友達の立場になって考えてみるのも良いでしょう。
最後に、
このように、自分の望む解決策を書くようにしましょう。
環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その1:地球温暖化
地球温暖化と言って、みなさんが思い浮かべることはどんなことでしょうか。
みなさんの生活で身近なものでは、夏場の熱中症が挙げられます。
温暖化の影響で、平均気温が上昇しており熱中症のリスクが年々上がっています。
そして、温暖化の一番大きな問題は、人的被害がもっとも早く影響されることです。
進行状況は大変早く、世界規模の被害です。
現在も世界各国で地球温暖化に対する議論がなされており、友好国同士では毎回協議されている問題ですね。
地球温暖化のテーマには、下記のような問題提起があります。
- 森林破壊から起こる自然の減少
- 温暖化難民と島国の消滅
- 気候変動と各国のリスク
このような問題に対する記事を読んで、自分の知らなかった実態やそれに対する考え、解決策を書き出してみましょう。
参考サイト:温暖化による難民も人権問題?
環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その2:海洋汚染
海洋汚染と言って一番最初に思いつく問題はなんですか?
「海鮮が食べられなくなるかもしれないけれど、わたしは魚が好きではないのであまり関大きな問題とも考えられない。」
という人もいるかもしれません。
でも、海洋汚染はもっと深刻です。
海洋汚染の最大の原因は、私たちが出すプラスチックゴミと言われています。
プラスチック製品が濫用されることで、私たちの生活は使い捨てが増えて便利になりましたが、このプラスチックゴミの行方を辿ってみると、とんでもない場所に行き当たることがわかってきます。
私たちが便利に利用するプラスチックが、海洋生物や哺乳類の生命を危機に追いやり、その結果自分たちの人権を脅かしていることに気がつかなければなりません。
みなさんは、次のような海洋汚染を知っていたでしょうか?
- 小さなプラごみから絶たれるイルカの命
- プラスチックとマイクロプラスチックの違い
- マイクロプラスチックの人体への影響
どうですか?
「え?プラゴミが生き物の命をどうやって奪うの?」と思った人もいるでしょう。
海は国境がなく、良くも悪くも、どこにでも行き着くことができます。
いくつかのサイトで海洋汚染問題について学び、自分が発見した問題を提起して、問題解決への考えを綴ってみましょう。
参考サイト:海のプラスチックゴミを減らし きれいな海と生き物を守る!
(海洋哺乳類の生命危機について書かれたサイト)
参考サイト:海洋プラスチックゴミ問題とは?
(マイクロプラスチックについて書かれたサイト)
環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その3:森林の減少
日本には身近に豊かな森林があまりみられません。
だから、そんなに実感が湧かないかもしれません。
でも、世界には、森林が破壊され続け、大規模な森林伐採が続いている国がたくさんあります。
日本人の私たちに直接関係ない気もしますか?
では、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
ホームセンターなどに行くと、たくさんの木材が販売されています。
その木材たちは一体どこから運ばれてきたものでしょうか?
そしてどんなルートで日本に輸入されたものでしょうか?
みなさんは考えたことがありますか?
森林資源に対する国際ビジネスは、私たちの想像を遥かに超えるほどの問題です。
国の財産のために、輸出を余儀なくされる国もたくさんあります。
それらの国は、物凄いスピードで森林伐採を行い、森林激減の影響から生活困難になる状況も起きています。
国際ビジネスの影響で、違法な森林伐採も急増し、世界の自然破壊は止めどなく突き進んでいます。
下記のように、森林減少の問題をテーマに考えてみましょう。
- 日本に輸入されている木材たちの生まれ故郷の姿
- 違法伐採の背景にある企業の汚職問題
- 森林伐採と先住民族の人権侵害
中学生のみなさんが知らなかった森林破壊を、ここで学んでみましょう。
そして、今後の課題として、解決方法も考えてみてください。
参考サイト:深刻な環境破壊・先住民の人権侵害を生む熱帯雨林の違法伐採
参考サイト:
世界の森林を守るために-違法に伐採された木材を使用していませんか?-(PDFファイル)
環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その4:プラスチック汚染
海洋問題でプラスチック問題について説明してきました。
でも、それと同時に、プラスチックが与える汚染問題は、他にどういったものがあるのか考えてみましょう。
ここでは、直接的に影響する人的被害について学んでみてください。
日本でもゴミの分別が自治体で厳しく行われるようになりましたね。
でも、著者は、これは表面上でのパフォーマンスにも感じるんです。
「そもそも、プラスチックを減らす努力してないよね?」と思うからです。
みんな利便性を求めるだけで、減らそうという意識はまだまだ薄いように感じます。
これから、国民一人一人がゴミの減量化についてしっかり意識を高めていくにはどうしたら良いか考えて、方法を提案してみましょう。
以下のようなテーマでプラスチックゴミについて学んでみてください。
- 世界では始まっているレジ袋禁止運動!
- プラスチックに含まれる添加剤の健康被害
- 自分がマイボトル生活を始めたら、年間何本のペットボトルを減らせるか?
プラスチック削減は、小さなことからできる努力があります。
「わたし1人が頑張っても…。」と思わず、実際に行動してみた感想を書くのも良いですね。
参考サイト:プラスチック汚染が人類の未来に影落とす根拠
参考サイト:日本でもレジ袋廃止!すでに有料化・撤廃した海外10ヵ国での事例
環境問題をテーマにする場合に考えたいポイント5選 その5:オゾン層破壊
オゾン層は私たちのすぐそばにはありません。
遠く離れた、目にも見えない場所にあって、それも地球の外側です。
オゾン層の学習は、小学生の時にさらっと学んだ人も多く、そのオゾン層が破壊されると、人体にどのような影響を与えるのかを学んだでしょう。
中学生のみなさんは、もう少し深掘りして、実際に与えられた実態や問題に焦点を当てて、オゾン層のメカニズムなども知識として吸収していきましょう。
- フロンがオゾン層を破壊する過程
- オゾンホール下での人体と生き物への影響
- オゾン層が吸収する紫外線と紫外線の影響
中学生になると、化学物質の勉強も始まります。
科学の知識を高める手助けにもなるので、オゾン、フロン、紫外線について一つずつ調べてみて、それぞれが与える影響を考えてみましょう。
オゾン層の破壊は比較的早い段階で問題視され、90年代までにかなりのフロンガスを抑えることに成功しました。
でも、人類は一度した失敗を繰り返さないように、常に思考しなければいけません。
安心や思い込みは1番の天敵です!
そのことも盛り込んで、自分が考える現状維持の方法を考えてみてくださいね。
参考サイト:フロンによるオゾン層の破壊
参考サイト:
参考サイト:オゾン層と紫外線
参考サイト:朗報!オゾン層は2060年までに完全に治癒するんだって
環境問題と人権:具体的な事例とその解決策
環境問題と人権は密接に関連しています。
例えば、違法な森林伐採やプラスチック汚染は、地域社会の生活環境を悪化させ、基本的な人権を侵害します。具体的な例として、違法伐採により先住民族の生活圏が破壊されたり、プラスチック汚染により海洋生物が死滅し、漁業に従事する人々の生計が脅かされるケースがあります。
これらの問題を解決するためには、法律の強化や教育の普及、持続可能な代替品の開発などが求められます。また、個々の消費者としても、エコフレンドリーな製品を選ぶ、リサイクルに努めるなど、日々の生活の中で環境に配慮した行動を取ることが重要です。
人権作文 環境問題のまとめ
- 環境問題がなぜ人権に影響するかを理解する
- 環境問題には種類がたくさん!どのようなものがあるか調べてみる
- 調べた環境問題で、自分が身近に感じたり、ショックが大きかったものを選ぶ
- 選んだ環境問題について5サイトくらい読んで、考えをまとめ、箇条書きにしておく
- 『問題提起→ 考え・意見→ 解決方法』を意識して、文章をまとめる
環境問題は、地球規模の大きな問題です。
私たちは、自分の取り巻く環境だけに目を向けるばかりで、そこから少し離れたことを考えたりはしません。
- 壊れたら買い直した方が安いから…。
- なんでも使い捨ては衛生的だし…。
- 家でお茶作るの面倒だから、コンビニで買えば良いよね…。
- プレゼントはデパートの完全包装じゃないと…。
- 文房具とかどうせ飽きるから、安いので買い換えればいいよね…。
自分でも思い当りことありませんか?
私たち人間は、生き物の中で一番強い存在です。
その私たちが自分たちの利便性を追求したことで、私たちよりも弱い立場の生き物たちを傷つけてしまっています。
これから成人を迎える中学生のみなさんは、今後、自分たちでどのような活動ができるか、色々と考えてみてください。
この世界には、あなたたちのように新しい考えを持ち、行動力のある若者が不可欠です。
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