太平洋戦争が終わってからもう70年以上が経ち、実際に戦争を経験した日本人は本当に少なくなってしまいました。今の中学生であれば、おばあちゃんも戦後生まれという方も多いでしょう。
それでも日本に生まれたからには、戦争についてしっかりと学んでほしいと思う大人がほとんどです。
日本で唯一の地上戦が行われた、沖縄。平和学習のテーマになった機会に、その歴史と平和について思いを寄せてみましょう。
平和学習はなぜ大切なのか
「平和学習」とは、文字通り平和を学ぶことです。
では、平和を学ぶとはどういうことでしょうか?
平和とは、争いのない状態を指します。争いは互いの違いを認めないことから始まります。そのため、争いを起こさないためには、お互いの立場や違いを認め合うことを学ぶ必要があります。
これは国と国だけでなく、私たちの日常生活でも当てはまります。例えば、男か女か、外向的か内向的か、出身地、運動神経の良し悪しなど、小さな違いを認め合うことが大切です。
その小さな違いを認めることが、平和学習の意味です。戦争を防ぐだけでなく、身近なところからできる平和な状態の築きかたを学ぶことが「平和学習」なのです。
沖縄と平和について
沖縄は、太平洋戦争時に日本全国で唯一地上戦が行われた場所です。
毎日敵国の飛行機が上空を飛び回り、いつ爆弾を落とされるのか怯えながら暮らしていたのは、当時全国に共通していましたが、その中でも沖縄は特別な状況下にありました。
ついには地上で銃撃戦が繰り広げられ、逃げる間もなく巻き込まれて亡くなってしまった住民がたくさんいます。アメリカ軍に捕まったらおしまいだという日本兵の教えを信じ、住民を殺すつもりのないアメリカ兵の前で自ら命を絶った住民も多数いました。
私たちは今、たくさんの命の犠牲の上に、生かされているのです。その事実を学び後世に伝えていくのは、生かされている私たちの使命ではないでしょうか。
平和学習レポートの長さは原稿用紙3~4枚に
いざレポートを書くとなると、何枚書けばいいのか悩みますよね。
枚数に関しては、原稿用紙3~4枚が目安です。1~2枚だと少なすぎますが、かといって同じことをダラダラ繰り返して書いても、要点が伝わりにくいレポートになってしまいます。
どうしても感想だけでは枚数が足りない場合は、写真を貼ったり、歴史について詳しく掘り下げて書いてみてはいかがでしょうか。
沖縄がテーマの平和学習レポート、題名は?
たとえば「沖縄地上戦について」だけでも充分理解できますが、
- 「沖縄地上戦における犠牲者の思いと現代の私たちの使命」
- 「戦争指導者と現地住民の、考えの格差」
というように具体的にすると、書き手の考察がわかりやすいのでおすすめです。
平和学習レポートの書き方
書き出し
レポートの書き出しは、題名をもう少し掘り下げて詳しく書くイメージで、何についてのレポートなのかを分かりやすく説明しましょう。
全体の10~15%くらいの文量を目安に、何についてのレポートなのか、そしてなぜそれについて書こうと思ったのかを書くと良いでしょう。
沖縄戦を題材にしたレポートの書き出しの例を挙げると、こんな感じです。
レポートの締め方
書き終わりは、レポートの中で何を主張したかったのかを簡潔にまとめましょう。例を挙げるとこんな感じです。
沖縄戦で延べ20万人余りの人が犠牲となったとされている。だがこれは大まかな数字に過ぎず、実際にどれだけの人が亡くなったのかは定かではない。
過去は変えられないが、過去の出来事を活かして未来を変えることはできる。今もどこかで戦争が続くこの世界で、平和を求めるのは難しいことなのかもしれない。それでもなお、後世にこの出来事を伝え、平和の大切さを訴えることをあきらめないでいようと思う。
沖縄と平和を学ぶのにおすすめの書籍3選
生かされて生きて―元ひめゆり学徒隊“いのちの語り部”
ひめゆり学徒隊とは、沖縄戦の際に学生の女の子たちで構成された部隊です。彼女たちは戦争の最前線で、怪我をした日本兵の治療や看病を行っていました。
最前線での活動なので、当然ながら非常に危険を伴いました。
この手記は、ひめゆり学徒隊の生き残った隊員が「もう二度と戦争は起こしてはいけない」と強く願って書いたものです。
決定版 写真記録 沖縄戦
こちらの本は、沖縄戦がどのようにして住民を巻き込み、多くの命を奪っていったのかを写真で紹介しています。
血や死を連想させる内容が含まれているため、苦手な方はご注意ください。ただ、これは実際に日本で起こった出来事です。この歴史に目を背けるべきではないということは心にとどめておいてほしいと思います。
沖縄決戦 – 高級参謀の手記
こちらは実際に沖縄戦の指揮を取った方の手記です。
戦争は犠牲になった人の話がクローズアップされやすい傾向がありますが、指揮を取った人の心境や敵国の兵士の心境を知ることはとても意味のあることです。
時代の流れに違和感を感じていた人間は民衆だけでなく、軍の上に立つ立場の人にもいたということを是非知っておいてください。
実際に沖縄を訪れて平和について考える
ここまでレポートの書き方や関連書籍を紹介しましたが、やはり実際に行って体験してこそ得られるものは大きいです。
そこで、沖縄線そして平和に関するスポットを3つ紹介します。
対馬丸記念館
対馬丸とは疎開船で、太平洋戦争時に多くの疎開する子どもたちを乗せたまま、沈没させられた船です。皆さんと同じくらいの学生さんや、もっと小さい子どもたちがたくさん乗っていました。
この記念館は、対馬丸事件の犠牲者を追悼するために建てられました。
皆さんも、まだまだ人生の中でやりたいことがたくさんありますよね。
今の時代に生まれたからこそ、努力すれば何にでも挑戦できますが、当時の子どもたちは戦争のせいでやりたいこともできず、命まで奪われてしまいました。
同じ世代の子どもたちが犠牲になったからこそ、戦争の悲惨さがよく伝わってくるでしょう。
ひめゆりの塔・平和祈念資料館・平和の礎
ひめゆりの塔と平和祈念資料館、平和の礎は同じ敷地内にあります。修学旅行の行先が沖縄なら、おそらくほとんどの学校が訪れる場所です。
全国各地から贈られるたくさんの千羽鶴と、戦争の犠牲者の名前がびっしりと彫られた礎はとても感慨深いものがあります。
旧海軍司令部壕
こちらは当時の日本海軍設営隊によって掘られたなんと長さ450mに渡る壕です。今はそのうちの300mほどが修復され、実際に入ることができます。手榴弾で自決した生々しい痕がくっきりと残ってます。
まとめ
今回の記事のポイントをまとめてみます。
- 平和学習とは「平和な状態の築きかたを学ぶ」こと
- レポートは原稿用紙3~4枚で、目的や主張を明確に書く
- 書籍を参考にしたり、実際に広島を訪れてレポートのヒントを見つける
あのとき世界で、沖縄で何が起こっていたのか。そして平和を保つためには何が必要か、皆さんも考えてみましょう。
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