理科の観察でおなじみのホウセンカですが、枯らしてしまうのが怖くて、挑戦できない方はいませんか。
相手が生き物なので、教科書どおりうまくいかないのはむしろ当たり前。
失敗した理由を分析してまとめればいいのです。
植物の観察で注意してほしいのは、当然ながら「時間がかかること」。
夏休み前に苗や土をそろえ、早めに研究にとりかかりましょう。
ホウセンカの観察日記の書き方のコツは?観察ポイントは?
ホウセンカを描くといっても、なにからはじめればいいか迷いますよね。
そんな時は、この3つに絞ってまとめ、書いてみましょう。
- 描きたいもの、変化に気づいたものを、下手でもいいから正確に描く。
- 思い込みで色を塗らない。花びらの端、真ん中、付け根と色は違うはず。
- 観察に加え、触る、においをかいで感想を書く。
見たものを正確に描くのは大人でも難しいことです。
お子さんが頭の中の「植物のイメージ」で描いている場合は、そっと質問して気づきを促してもよいですね。
ホウセンカは食べられませんが、視覚以外の感覚も調査の上で侮れません。
構成、観察ポイント
観察ポイントは書きかたのコツで説明しましたので、構成について説明します。
観察日記は日付、時間、天気のほか、湿度、温度も書きましょう。
そのほか、
- どのように観察し、なにに着目して記録したか。
- 観察を通じてわかったこと、それをもとに考えたこと。
- 天気、時間によって植物に変化があったか。
といったことに注意して記録します。
意外と時間や湿度、温度によって面白い結果、変化が見られるかもしれませんよ。
ホウセンカをうまく書くコツ・写すコツは?
観察には記録がつきもの。
あなたはお花の絵を描くのが得意ですか。
形を見ながら書いたはいいものの、一部分だけ大きくなる、バランスがおかしくなると嫌ですよね。
今回は漫画の手法を少し応用して、できるだけ正確に書いてみましょう。
花を描くときは、大まかに形を線で描いてから始めましょう。
ユリなら六角形の頂点に、花びらが来るよう描きます。
開きかけのバラはツボ状の形をもとにして、線を描きこみます。
今回のホウセンカは何に似ているでしょうか。
羽を広げたガか、羽ばたくスズメか…。
イメージが近いのが、防災頭巾です。
かぶった人の後ろ姿を思い浮かべましょう。
たれの部分を少し伸ばして、左右に引っ張ったとしたら、花の形に近づくはずです。
半円状に広がったたれの中に、2枚の大きな花びらを描き、小さい花びらをその上に描きます。
これにめしべを描き加えたら、それっぽく仕上がるかとおもいます。
もちろん、人によって不得意なことはあります。
もし描けない場合はスマホなどで写真を撮りましょう。
失敗しないコツは、ブレを抑えある程度の明るさを確保すること。
スマホをもってしゃがみ、両肘を両ひざにおいて固定した状態で撮影しましょう。
数回チャレンジすればいい写真が撮れますよ。
ホウセンカを夏休み中にうまく育てるコツは?
開花時期は夏の6月から9月で、暑さに強く丈夫で育てやすいのが特徴です。
茎は太めで直立し、花は葉腋と呼ばれる葉の付け根に付きます。
草丈は60 cmぐらいで、日当たりや水はけがよほど悪くない限り育つ、丈夫な植物。
こぼれ種で増えるほど丈夫な植物ですが、うどん粉病やセスジスズメの幼虫に注意です。
東京付近であれば4月の下旬から5月に種をまきましょう。
日当たりは大切ですが、当たりすぎると枯れることがあります。
よほど成長が遅い場合を除いて、肥料がそれほどなくても育ちます。
水だけ切らさないようにしましょう。
ホウセンカの観察日記に必用な道具は?
ホウセンカを育てるのに、必要なものをご紹介します。
まずは花の土を買い、バーミキュライトや苦土石灰が含まれていない場合、追加で買い足しましょう。
土のpHは検査できますので、石灰を入れるかどうかは計測してから決めてください。
必要なもの
ホウセンカの種
鉢容器
花の土
苦土石灰(くどせっかい)
バーミキュライト
鉢底石
スコップ
殺虫剤
うどんこ病、アブラムシ用の殺虫殺菌剤。
ヤシ油とでんぷんからできている自然派薬剤。
10Lバケツ(長期不在時)
ホースを通す穴に固定できる。
バケツおきに使える収納ケース(長期不在時)
女性が座っても大丈夫。30L。
土壌測定器
土のpH測定に、土壌測定器。プローブ(カバー)付きでいつも清潔。
苦土石灰という言葉に馴染みがない方もいるでしょう。
多くの植物はpH 5.5から6.5ほどの弱酸性の土を好みます。
プランターを使うと土の劣化も早くなり、土に混ぜる肥料によって酸性に傾きやすくなります。
土を弱酸性にするため苦土石灰、有機石灰を入れましょう。
ホウセンカが夏休み中に枯れてしまったらどうする?そのまま書く?
宿題の観察中、運悪く植物が枯れてしまうこともあるでしょう。
中には、「もう失敗だ」と思い込んで観察をやめる、もしくは捨てる方もいるかもしれませんね。
でも待ってください。
失敗に見えることでも、やり方次第ではいくらでもリカバリーがききますよ。
なぜ花が咲かず枯れたのか、本や図鑑そしてネットで調べましょう。
また、病気の対策もしたのに病気になったなら、観察記録を見て気温や水やり状況など原因を突き止めましょう。
ご家庭で話し合うのもいいですね。
最後まであきらめずに形にするというのは、なかなか精神的にもこたえる作業です。
でも、投げやりにならないというクセをつけると、将来にも役立ちます。
たとえ挫折しても、「こうすればいいかも」とひらめくことにつながりますよ。
枯れないようにする工夫は?
とはいえ、せっかく育てたお花が枯れてしまうのは悲しいですよね。
枯れる原因を知っていれば、いざという時に調べて対処できるので、気負いすぎないでやってみましょう。
代表的な原因としては、次の3つです。
害虫
ネコブセンチュウという、根に卵を産み寄生する虫がいます。
またセスジスズメという蛾の幼虫(黒い体に目の模様が横並びについている)を見つけたら殺虫剤をまき、虫は捕獲して捨てましょう。
セスジスズメは作物を荒らす害虫に指定されています。
病気
6月から7月はうどん粉病が出やすい時期です。
葉が粉をまいたように白くなるので、見つけ次第葉をきって捨て、殺菌剤をまきましょう。
立ち枯れ病にもかかりやすいので、下の方から黄色くなったら殺菌剤で対策します。
水
夏場は1日に1回水をあげましょう。
底に石を入れる、バーミキュライトや腐葉土を混ぜて水はけをよくすることも大切です。
30度を超える真夏日には朝、夕に水をやりましょう。
旅行時にはどうする?
枯らさないコツはだいたいつかめたと思います。
でも待ってください。
夏休みを利用して旅行やキャンプに行くあなた、ホウセンカのお世話はどうしますか。
実親や義理の親に頼みにくい、隣人に頼むなんて…と思いますよね。
1週間ぐらいの旅行中でしたら、自動で水やりができる装置があるんです。
あまりお金もかからないので、身の回りにあるものでそろえてみてください。
材料は次のとおりです。
- 古いボロボロのタオル。切って使うので、愛着あるものは避ける。
- 10Lほど水を入れられる容器、バケツ。
- ゴムホース(先に紹介したバケツは高さが約40センチ。バケツに入れる分と、垂らす分を合わせて1メートルあれば足りる)
- バケツを載せられる「トランクカーゴ」。
置台としてレンガや板を使う方もいます。
でも、庭がないと置き場所に困りますし、子どもがいたずらしてケガしたら大変ですよね。
この商品でしたら、丈夫な収納ボックスとしても使えます。
平面の寸法は縦35センチ、横33センチでバケツを載せても大丈夫。
手順は古いタオルを細長く切ってヒモにしたあと、それぞれを結んで1メートル40センチくらいの長さにします。
それをゴムホースの中に入れて、ホースの両端からタオルのヒモが20センチぐらい出るようにします。
バケツに水を入れ、取っ手部分に開いた丸い穴からホースを通します。
抜け落ちるのが心配な場合は、ガムテープなどで一巻きしましょう。
収納ボックスを鉢植えの近くに置いて、バケツを載せます。(近くに濡れて困るものは置かないようにしましょう)ホースのもう一方を植木鉢の土部分においてやれば、サイフォンの原理で水が伝わっていきます。
長期旅行前に一度装置を作って、うまくいくか確認しておきましょう。
ホウセンカの観察日記をまとめよう!
まとめの書き方、構成は、次のとおりです。
- 研究テーマ(具体的に書く)。
- クラス、クラス番号、お子さんのお名前。
- 観察を始めた日付(年号含む)。植えた日付も書いておく。
- 研究をするきっかけ。
- 予想も含めて、調べることを書く。
- 準備するものを書く。
- 実験の手順を書く。参考にした本、ウェブサイト、アドバイスをくれた人の名前を書く。
- 写真や絵、記号を使ってわかりやすく結果をまとめる。
- 研究の結果から得た感想を書く。
書き方は?どのような紙にまとめる?
模造紙にまとめる場合は、薄手の紙に直接書き込んでもいいですが、タイトルや研究のきっかけ、研究の手順と書き進めるうちに、文字が小さくなってしまいがち。
全体のバランスをとって模造紙にまとめるのは、大人でも難しいところですよね。
そんなときは「カードに書いてペタペタ貼ろう」といって、模造紙の上に項目ごとに合わせて切った紙を用意して書かせましょう。
真っすぐかけるよう、薄くえんぴつで線を引いてもいいですね。
どの位置にどれくらいの文字数でまとめるか、見当をつけると楽になりますよ。
カード状に切った紙に書き入れ、紙の上に置いて貼って大丈夫か確認します。
紙の裏面に両面テープをつけ、少し厚手の模造紙に貼ります。
書き間違えた場合、模造紙に修正テープを直接つけると見た目が悪くなりがちですが、カード形式なら書き直せばいいのがメリットです。
最後に
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観察するときは、対象そのものを忠実に観察する。頭の中のイメージで適当に描いてはいけない。ホウセンカを観察するときは、正確に見たまま描きうつす。また、天気や時間によって植物に変化はあったか、何センチのびたかということも記録する。
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ホウセンカの全体を描くのはともかく、花が難しい。全体の形を把握してシルエットを先に描き、その形の中に線を引いて実際の花に近づける。写真で撮るときは、肘を固定してブレを少なくするのがうまい撮影のポイント。
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育てやすいが、水はけに注意。日に当てすぎない。害虫がつかないよう、細かくチェックして取り除く。種まきの時期が4月下旬から5月なので、観察するなら早めに道具をそろえる。
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ホウセンカは丈夫な植物だが、石灰を使って土のpHに注意する。pHを図る土壌測定器を活用する。かかりやすい病気があるので、対応した薬があると対処がラク。
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運悪く植物が枯れてしまっても失敗ではない。原因を突き止めてまとめるのも立派な研究。長期不在のときは、自動水やり機を作っておくとよい。
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模造紙にまとめるときは、それぞれの項目をカード状にした紙に書いて貼るとバランスよく仕上がる。絵や写真も入れて楽しく作業させる。多少不格好になっても、本人の思うようにやってもらうことが大切。模造紙は多めに購入しておくと慌てずにすむ。
夏休みの宿題は、計画性がすべて。
夏休み前から取り組んでみましょう。
親御さんも夏休みは大変だと思いますが、自由研究でお子さんが困っていたら、どうやって調べるか、何を使って解決するか、一緒に悩んであげてください。
意外と穴場なのが、最寄りの図書館です。
受付に司書さんがいるので、
というと、資料をピックアップしてくれます。
また、ネットの「画像検索」もなかなか有用です。
ぜひ自力で調べる力をつけてあげましょう。