お墓参りに行った際に、アゲハチョウや蜂が自分の周りをふわふわと飛んだり、寄り添うように傍に漂っているという経験をされた方がいらっしゃると思います。
特にそれがお盆の時期や、ご親族が亡くなって間もないときであれば「自分に会いに来てくれたのでは?」と感じることでしょう。
また、小さい頃にチョウや蜂は「神様の使い」だと親から言われ、なんとなく神聖視している方もおられると思います。
今回は、なぜチョウや蜂が“神様の使い”や“ご先祖様”と言われることが多いのか、その由来や意味について詳しくお伝えしていきたいと思います。
お墓参りでアゲハチョウが寄ってくる意味
ひらひらと舞うチョウは優雅さ漂う美しい生き物ですが、アゲハチョウはどことなく不吉な感じを受ける方も多いのではないでしょうか。
黒いチョウが部屋に入ってくるのは“死の前触れ”という迷信があり、
といった話を聞くこともありますよね。
春ごろから身近に見られるチョウですが、実はギリシャ神話や中国の故事、仏教やキリスト教の教えの中にも登場しています。
“死者の化身”や“神の使い”と捉える概念があり、
ともいわれているのです。
例えば、チョウが自分の守護霊として現れたり、亡くなった方からのメッセージを運んでくれるという話もあります。
また、神の使いとして“あの世とこの世をつないで生命を運ぶ存在”として考えられています。
チョウは「卵-幼虫-サナギ-成虫」と変化する生き物。
葉っぱの上を這っていたイモ虫が、立派な羽を持ったチョウに変化をして空を飛ぶという、大きな変化を遂げる生き物は他にはいないことから、“復活” “生と死” “変化の象徴”となりました。
また、肉体から離れた魂は空を飛んであの世に行くため、ひらひらと飛ぶ姿から“魂を運ぶ生き物”として知られるようになりました。
仏教では極楽浄土に魂を運んでくれる神聖な生き物としての教えがあるのです。
こういった教えや概念もあることから、アゲハチョウは“ご先祖様の魂を運ぶ化身”とされています。
アゲハチョウは黒い姿や“死を知らせる存在”としてマイナスなイメージを持たれがちですが、実はご先祖様が姿を変えてメッセージを届けてくれているのかもしれません。
お墓参りの際にアゲハチョウを見かけたときは、ご先祖様が挨拶に来ているといわれています。
もしお墓参りの際に、ふわふわとアゲハチョウが近づいてきたら
と捉え、そっと手を合わせてみてください。
お墓参りでモンシロチョウを見る意味
アゲハチョウは“ご先祖様の化身”であるとお伝えしましたが、モンシロチョウやモンキチョウも同じく、ご先祖様の化身だと言われています。
お盆のお墓参りの際にアゲハチョウだけではなく、モンキチョウやモンキチョウをよく見るという方も多いのではないでしょうか。
実は、亡くなられたばかりのご先祖様は“モンシロチョウ”、亡くなられてから年月が経たれたご先祖様は“モンキチョウ”であるといった捉え方もあります。
霊が見える方にとっては、亡くなられたばかりの方は白く見えることから、こういったことが言われるようになったそうです。
スピリチュアルな解釈をすれば、白いチョウは“親戚や友人からのメッセージ”と言われ、ちゃんと供養してくれてありがとう、思い出してくれてありがとうといった、亡くなった方の感謝の念が伝えやすい様に具現化した返事だといわれています。
また、白いチョウは“天の助け“があるという知らせ、黄色いチョウは“幸運を運ぶ”とも言われています。
チョウは、古来よりご先祖様や神様からの使いとして、感謝の意やお別れの挨拶、幸運の知らせを伝えに来てくれる存在だといわれています。
もしお盆のお墓参りに行った際に見かけたときは、ご先祖様のお顔を思い浮かべながら、感謝や近況を伝えてみてはいかがでしょうか。
お墓参りで蜂を見たときの意味
家に巣をつくられたり刺されたりした経験がある方は、蜂は怖い存在かもしれませんが、実は蜂もチョウと同じように“神様の使い”と言われ、サインやメッセージを届けてくれる生き物です。
また、幸運・繁栄・子宝など、様々な意味合いを持っています。
蜂は、女王蜂を中心に大きな組織をつくり、身を粉にして子孫繁栄のためにせっせと働く姿から、“豊かさ”“勤勉”と言ったポジティブなイメージを連想されることが多くありました。
といった意味があるといいます。
このことから、何度も蜂を見かけるときには、
と教えてくれている、と解釈されることが多くあります。
またそこから派生して、
というメッセージを届けているとされ、“幸運”を届けてくれる存在であるとも言われています。
蜂は針を持っていて刺す生き物だと認識し多くの方が敏感に反応することから、チョウと同じように“魂を運ぶメッセンジャー”として選ばれることが多い様です。
お墓参りの際などで目の高さに飛び続けたり、寄り添うように飛び続けたりすることがあったという話もありますよね。
もし、蜂が攻撃をする様子がなく傍を漂っているということがあれば、近しいご先祖様からのメッセージだと受け取ってみてはいかがでしょうか。
お墓参りで虫を殺生してはいけない?
先にご紹介したチョウや蜂などのお墓に現れる虫は、“お墓に入っている方の生まれ変わり”であるとか、“ご先祖様が虫に乗って帰ってくる”と考えられています。
地域によって取り上げられる生き物は異なりますが、様々な虫に乗ってご先祖様が会いに来られるといわれることが多くあります。
また、仏教において「“殺生”は重大な罪であるため、虫さえも殺生してはいけない」という教えがあり、すべての人は生まれ変わり死に変わり「六道」という6つの世界を巡っている、と考えられています。
そのことから、すべての生命は同根で上下はなく、どんな小さな生き物でも“殺生”することは“罪”とされています。
こういった理由から、お盆の期間中やお墓参りの際には、虫を殺生してはいけないという風に考えられています。
また、同様の理由からお盆の期間中には「虫取り」も控えるのがおすすめです。
もし、お子さんがお盆の期間中やお墓参りの際に虫を捕まえてしまったら、虫の力が弱まる前に放してあげてくださいね。
まとめ
お盆の時期だけではなく、チョウや蜂、トンボがふと気になったり、ご自身の周りを飛んでいることがあったら、ご先祖様からのメッセージを届けてくれているのかもしれません。
そういった事があれば追い払ったり疎ましく思わず、手を合わせたり感謝の意を伝えたり、近況を伝えてみてください。