都心から近い場所でミヤマクワガタを捕まえたいなら、ずばり秩父が適しています。
実際、秩父で「ミヤマクワガタゲット!」という話はよく聞きます。
近年、個体数が減っていて、ついには準絶滅危惧種に指定されてしまいました。
そんな中、秩父では比較的発見しやすくミヤマクワガタが生きていくには良い環境であると言えます。
ただし、秩父に行けば必ず捕まえられるか、というとそうでもありません。
今回は、秩父の中でもミヤマクワガタが採れるポイントと、ミヤマクワガタを捕まえるのに適したトラップ「バナナトラップ」を中心にミヤマクワガタの生態、飼育方法、更にはバナナトラップについても解説します。
ミヤマクワガタは秩父のどこにいる? 捕獲ポイントその1:秩父ミューズパーク
それでは、さっそくミヤマクワガタの発見ポイントをご紹介しましょう。
ポイントその1は「秩父ミューズパーク」です。
秩父ミューズパークは埼玉県並びに秩父市が運営する自然公園です。
自然公園なのですが、レストラン、スポーツ施設、ハイキングコースなどが完備されています。
実際にミヤマクワガタを捕まえる場合は、周辺の森の中で行うことになります。
秩父ミューズパーク
住所:〒368-0102 埼玉県秩父郡小鹿野町長留2518
電話:0494-25-1315
交通手段
自動車
- 関越自動車道花園インターチェンジから国道140号を秩父方面へ
- 皆野秩父バイパス→国道299号→島田建設100メートル先左折→秩父プラムの里左折後約1キロメール
電車、バス
- 西武秩父線西武秩父駅にて下車
- 循環バス「ぐるりん号」に乗車 「ミューズパーク南口」にて下車
ミヤマクワガタは秩父のどこにいる? 捕獲ポイントその2:奥秩父神庭オートキャンプ場
ポイントその2は「奥秩父神庭オートキャンプ場」です。
名前の通りキャンプ場です。
令和元年にオープンしたばかりのキャンプ場です。
秩父観光協会によって運営されています。
こちらも施設は完備されており、水遊び場、アスレチックなども併設されています。
周りがうっそうとした森に囲まれており、クワガタ採りには絶好のポイントです。
なお、入園するのに予約が必要で入園料がかかります。
同じく入園時間、退園時間が決められています。
奥秩父神庭オートキャンプ場
住所:〒369-1901 埼玉県秩父市大滝4273-1
電話:0494-55-0137
交通手段
自動車
- 関越自動車道花園インターチェンジから国道140号を秩父方面
- 皆野秩父バイパス→皆野大塚インターチェンジ→国道140号を秩父駅方面→三峰口駅方面→三峰口駅から約700メートル
電車、バス
- 秩父鉄道三峰口駅にて下車
- 西武バスに乗車 「岡本」にて下車
その後、徒歩約15分
ミヤマクワガタは秩父のどこにいる? 捕獲ポイントその3:両神山麓キャンプ場
ポイントその3は「両神山麓キャンプ」です。
ポイントその2でご紹介した「奥秩父神庭オートキャンプ場」同様キャンプ場です。
場所は「奥秩父神庭オートキャンプ場」よりも北東に位置しています。
株式会社両神産業という地元企業によって運営されています。
こちらも、要予約、入園料がかかります。
両神山麓キャンプ場
住所:〒368-0202 埼玉県秩父郡小鹿野町両神小森5432
電話:0494-79-0155
交通手段
自動車
- 関越自動車道 花園インターチェンジから国道140号を秩父方面
- 皆野・寄居バイパス→国道299号→小鹿野バイパス→「黒海土バイパス前」信号左折→県道37号→「小森」バス停Y字路を白井差 (右)方向→「中尾」バス停を過ぎると到着
電車、バス
- 西武鉄道西武秩父駅にて下車 小鹿野町営バスに乗車 「白井差口」にて徒歩3分
- 秩父鉄道三峰口駅にて下車 小鹿野町営バスに乗車 「白井差口」にて徒歩3分
以上、3つのポイントをご紹介しました。
今回ご紹介したポイントには共通点があります。
- いずれも標高500メートル近辺で無理をせずに行ける。その中でもミヤマクワガタが生息するのに適した環境である
- ミヤマクワガタの好みの木がある
- 電車、バスなど交通機関を使って行ける
- 自動車を使った場合、停車させておける場所(駐車場)が完備されている
- 管理がしっかりしており施設も運営が完備されているため何か場合すぐに助けが呼る
観光協会の回し者のように思われてしまうもしれませんが、行きやすく、楽しみやすく、という観点からご紹介させて頂きました。
もちろん、更に標高の高い場所で発見することができます。
その際には、自動車での移動が基本となります。
周りに管理事務所が無いケースがほとんどですので、遭難などには十分ご注意ください。
ミヤマクワガタの生態、寿命、他のクワガタとの違い、生息地、購入するとしたらいくらになる?長生きさせる飼育方法は?
ここでミヤマクワガタの生態についてご紹介します。
ミヤマクワガタはコガネムシ上科クワガタムシ科に属する甲虫です。
日本に生息するミヤマクワガタは生息地別にフジ型、エゾ型、ヤマ型の3種類いて、秩父で見つけることができるのはヤマ型になります。
ただし、同じ埼玉県内でもフジ型を発見した事例があります。
大きさ、特徴
特徴としては皆さんがご存じのツノ(ハサミ)です。
特にミヤマクワガタの場合、他のクワガタムシに比べて大きくなっています。
その他には、体にこがね色の産毛が生えており他のクワガタムシよりも目立つものとなっています。
この大きなツノ↑がミヤマクワガタの特徴
個体の大きさはオス、メスによって異なります。
オスは約23㎜から79㎜、メスは25㎜から49㎜になります。
メスの方が圧倒的にサイズが小さいです。
平均的なサイズはオスで約60㎜、メスは約35㎜と言われています。
このぐらいのサイズを捕まえることができれば、まずは成功と言えるでしょう。
ちなみに、日本で発見されたもっとも大きなミヤマクワガタは78.6㎜(オス)だといわれています。
さすがにこのサイズはめったに見かけることはできませんが、秩父で大物と言われるサイズはオス約70㎜、メス約39㎜です。
このぐらいのサイズを見つけてみたいですね。
習性
他のクワガタムシの例に漏れず、ミヤマクワガタも飛行します。
一般的には、飛んでいるのはサイズが小さいもので、大きなものはその大きさゆえにあまり飛ばない、と言われています。
ただし、もちろん大型の個体にも羽がありますから飛ぶことはあります。
こんな風にちゃんと羽も生えています。今まさに飛び立つところ!
飛んでいるのは夜間、晴れた日です。
雨が降っていると飛びません。
生息地
他のブログなどでも紹介されていますが、ミヤマ = 深山です。
読んで字の如く「山の深く」、山深いと言えば、木々が生い茂る森、気温も平地に比べると冷涼でそこそこの湿度がある場所です。
ミヤマクワガタはどちらかというと、涼しい場所の方が生息するのに適しています。
気温で言うと約20℃ぐらいです。
上記の地理条件をあてはめてみると、標高はかなり高く500メートル以上の山奥、ということになります。
実際、ご紹介した「秩父のミヤマクワガタスポット」以外でも、標高の高い場所での発見が紹介されていたりします。
こんなうっそうとした所がミヤマクワガタのすみかです。
活動時期
ミヤマクワガタの活動時期ですが、5月から9月が活動時期と言われています。
その中でも特に6月から7月が活発に活動する時期となります。
カブトムシの活動時期が7月中旬から8月中旬と、時期的にズレがありますので注意が必要です。
餌場
ミヤマクワガタを発見できる場所の特徴として、「広葉樹の木」という点が挙げられます。
広葉樹の中でもクヌギの木によく集まってきます。
ミヤマクワガタはクヌギの樹液が大好物です。
クヌギは葉とどんぐりに特徴があります。
他の木の樹液と何が違うかというと、含まれている成分だと言われています。
樹液の成分について研究書に詳しい解説が載っていますが、ここでは割愛します。
その代わり、と言ってはなんですがどんな餌なら寄ってくるか、について後ほどご説明します。
寿命
ミヤマクワガタの寿命は約3か月から半年と他のクワガタムシに比べると極端に短いです。(他のクワガタムシは1年以上は生きています。)
ミヤマクワガタの相場
ちなみにミヤマクワガタを購入したい場合、どのぐらいの値段になるかご存じですか?
大体2,000円ぐらいから購入する事が可能です。(ただし、サイズは小さめのもの)
先ほどご説明した大物が欲しい場合、数万円ぐらいが相場となります。
超レア物(72mm以上)になると数十万円することもあるようです。
最近はネットショッピングでも購入できます。
ネットを使ってお手軽に買えちゃうなんて時代を感じますね。
でも、なんだか寂しさを覚えてしまうのは私だけでしょうか…。
ここではちゃんとした採集の仕方を教えますので是非実際に足を運んでみましょう。
その方が喜び、発見が多いです。
飼育
せっかく捕まえてきたミヤマクワガタ、ぜひ飼育してみたいですよね。
飼育方法について解説します。
飼育に必要なもの、ミヤマクワガタの飼育場所の作成手順をご紹介します。
ミヤマクワガタを飼育する際に必要な物まとめ!
- 飼育用の虫かご(最低でも30センチ × 20センチ × 20センチ)
- 土(朽ちたクヌギをブレンドした腐葉土)
- 朽木
- 霧吹き
- 保冷剤
- 保冷用発泡スチロールの箱
これらのアイテム、実はネット通販で入手することが可能です。
ミヤマクワガタの飼育場所作成手順まとめ!
- 飼育用の虫かごに土を入れる(たっぷりと6~7センチぐらい)
- 朽木を適当な場所に置く
- 餌を置く
これだけです。
この時に霧吹きをして湿り気を与えることを忘れずに!
こちらでも紹介されていますので見てみてください。
ミヤマクワガタは他のクワガタの比べるとかなりデリケートな生き物であると言えます。
当然、「深山」と同じ環境にしてあげる必要があります。
30℃なんてもってのほか。
あっという間に死んでしまいます。
ミヤマクワガタが生活しているのと同じ環境を作り出すために、温度管理にはかなり気を使ってあげる必要があります。
先ほどのご説明で、ミヤマクワガタの生息地の気温は20℃くらいとお話しました。
この環境を作るには、クーラーをガンガンにかける必要があります。
さすがにこれは厳しいかと思いますので、もう少しお手軽にできる方法をご紹介します。
ミヤマクワガタに涼しい環境を提供する方法!
- 飼育用の虫かごより何回りか大きめの保冷箱を用意する
- 底にタオルを敷く
- 虫かごを中に入れ、一緒に保冷剤を入れてあげる
- 普段は蓋を閉めておく
これでミヤマクワガタにとっても過ごしやすい環境が整います。
保冷用の発泡スチロール箱はネット通販で買うことができます。
保冷室についてはこちらの動画で簡単に紹介されています。
生活する場所を準備する事ができました。
では、餌についてはどうしたらよいのでしょうか。
一番良いのは、後ほどご紹介する「バナナトラップ」で使用する餌を与えることです。
でも、数日おきに餌をつくらなければならず、面倒くさい。
わざわざ手の込んだ餌をつくらなくても、バナナをそのまま置いてあげるか、リンゴをあげれば大丈夫です。
逆に与えていけないものもあります。
それはスイカ、メロン、モモ、トマトです。
小さい頃は、カブトムシ、クワガタにはスイカをあげるのが当然だと思っていました。
でも、実はダメなんです。
与えてはダメなものにはある共通点があります。
何だと思いますか?
全てに共通しているのは「水分が多い」ということなんです。
そう思いますよね。
ところが、餌に関して言えば水分が多いと排泄量が増えてしまい、体に負担がかかってしまうことが最近の研究でわかってきました。
湿り気のある所が好きなのに餌は水分が多いとダメ、何か矛盾しているようですが生活環境と食べるものは違いますので注意してください。
もっと簡単に準備したいのであれば昆虫ゼリーを与える方法もあります。
最近は質の良い昆虫ゼリーが出回っていますのでミヤマクワガタもちゃんと食べてくれます。
この通り、ミヤマクワガタもちゃんと食べてくれます。
餌は適度に変えてあげましょう。
ほったらかしておくと腐って異臭を放ちますし、何より不衛生です。
バナナトラップにはカルピスとお酒・焼酎、何が正解?
ここで、ミヤマクワガタを捕まえるのに絶大な威力を発揮する「バナナトラップ」についてご紹介します。
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