小学生にとって、夏休みは学校授業から離れられる一番楽しい休暇。
でも、夏休みの宿題さえなければなぁ〜。
と思っているお子さんがほとんどでしょう。
最近は、俳句の宿題が出されることも増えてきてます。
「俳句ってどう書かせたらいいの?普段自分が読まないからわからない。」とお悩みの場合も、この記事を読めば、俳句のあり方と俳句の書き方が分かるようになります。
それでは、俳句について紹介していきます!
- 夏休みの俳句の宿題!そもそも「俳句」とは?
- 小学生の俳句らしい夏の季語や題材は?
- 小学生の学年別書き方ガイド!低学年(1年・2年)の題材はどうする?
- 小学生の学年別書き方ガイド!中学年(3年・4年)の題材はどうする?
- 小学生の学年別書き方ガイド!高学年(5年・6年)の題材はどうする?
- 小学生がすばらしい俳句を書くには「一流の俳句」に触れよう!
夏休みの宿題!そもそも「俳句」とは?
俳句は世界的に有名な日本の詩の形で、世界で一番短い定型詩と言われています。
その形は皆さんも知っている五・七・五の17音です。
そして、俳句は17音の中に季節や情景、感じたことが書かれている詩なのです。
この五・七・五の中には必ず守るべきルールがあります。
俳句のルール その1:五・七・五の17音でつくる
ここで注意したいのは17文字ではなく、17音でつくるということです。
柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺 – 正岡子規
(かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ)
この場合、「ほうりゅうじ」を正確に数えれば6文字ですが、
俳句の場合は「音」を数えるため、「ほ・う・りゅ・う・じ」と5音と数えます。
俳句のルール その2:季語を詠み込む
俳句は季節や情景をその時に感じた言葉で表す定型詩ですから、「季語」という季節を表す言葉を必ずいれるようにします。
柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺
例えば、上で書いた正岡子規の俳句には「柿」という季語が詠われています。
柿は季節の食べ物であり、秋虹が熟して食べごろであることがわかりますね。
夏休みの俳句宿題、親子で楽しく取り組む方法
夏休みの宿題、特に俳句の宿題は、子供だけでなく親も一緒に楽しむ絶好の機会です。ここでは、親子で楽しく俳句の宿題に取り組むための方法をいくつか提案します。
1. 季語を一緒に探す:
季語は俳句の魅力を引き立てる重要な要素です。親子で一緒に季語を探し、それぞれの季語がどのような情景や感情を表現するのか話し合うことで、子供の表現力や想像力を育てることができます。
2. 俳句を読み合う:
一緒に俳句を読むことで、子供の言葉への感受性や表現力を高めることができます。また、親が子供の俳句を褒めることで、子供の自信やモチベーションを高めることができます。
3. 俳句を書く時間を設ける:
定期的に一緒に俳句を書く時間を設けることで、子供は自分の感情や考えを言葉にする練習をすることができます。また、親は子供の成長を間近で見ることができます。
小学生の俳句らしい夏の季語や題材は?
小学生が想像しやすい季語を紹介します!
お子さんと一緒に情景を想像しながら、とっておきの季語を見つけてみてください。
春の季語
- たんぽぽ
- さくら
- ちょうちょ
- ひなあられ
- うぐいす
夏の季語
- すいか
- カブトムシ
- ひまわり
- プール
- 花火
秋の季語
- すずむし
- コスモス
- ブドウ
- もみじ
- 柿
冬の季語
- 雪だるま
- こたつ
- みかん
- おでん
- クリスマス
夏休みの課題にオススメ!夏の季語
- すいか
- かき氷
- うちわ
- ゆかた
- 夏祭り
- 花火
- かとり線香
- サンダル
- プール
- 海
- アイスクリーム
- 縁日
- おみこし
- そうめん
- エアコン
- 汗
- 扇風機
- カブトムシ
- ひまわり
参考:俳句日記 – 夏の季語一覧
小学生の学年別書き方ガイド!低学年(1年・2年)の題材はどうする?
低学年のお子さんは、俳句自体を理解するには少し難しいので、楽しい思い出から想像を膨らませて言葉にしてみましょう。
題材はシンプルに食べ物などを使うととても書きやすいです。
擬音語や擬態語をいれると子どもらしいかわいい俳句ができあがります。
例
かきごおり あたまがキンキン おいしいな
カブトムシ
カブトムシ ぼくのゼリーも たべるかな
すいか
すいかわり いっぱいたたいて ボコボコだ
小学生の学年別書き方ガイド!中学年(3年・4年)の題材はどうする?
中学年のお子さんは少しずつ国語能力が上がってくる頃です。
言葉の表現力も豊かになり、色々な表現が使えるようになります。
「きれい」を「美しい」と表現したり。
「気持ちいい」を「心地よい」と表現したり。
きれいな言葉を選びながら俳句を作ってみましょう。
夏まつり
夏まつり ゆかたとおだんご 夕涼み
汗
汗ばんで ひやっと涼しい 心地よさ
花火
大空に 花火の7色 美しい
小学生の学年別書き方ガイド!高学年(5年・6年)の題材はどうする?
高学年になると、自分と他人という存在を意識し始めます。
心の中も今まで感じたことがない悩みや喜びがあふれてくる頃でしょう。
それでもまだ感覚は子どもです。
子どもらしい言葉とちょっと大人びた言葉を詠い込むと、高学年らしい素敵な句が詠めるでしょう。
花火
夜空の灯 あの人思う 夏花火
扇風機
扇風機 一緒に動く ぼくの首
夏祭り
夏祭り みんなの手と手 盆踊り
参考:twitter 小学生の俳句を紹介する
小学生の俳句を紹介する「#KODOMO俳句」。11月3回目の入選は福岡海星女子学院付属小学校、武蔵村山市立雷塚小学校、宝塚市立宝塚小学校、江東区立毛利小学校のみなさん。11月19日には読売新聞オンラインでも公開します。https://t.co/m9IXEsumm5 pic.twitter.com/n722eKUTsF
— 読売新聞 教育 (@YOL_kyoiku) November 16, 2019
夏休みに詠む、面白くてユニークな俳句の例
夏休みは、子供たちが自由に過ごす時間です。特に、面白い題材を選ぶことで、俳句作りがより楽しくなります。以下に、夏休みに詠む面白い俳句の例をいくつか紹介します。
1. 「夏燕 駅から空へ 飛んでゆく」
季語:夏燕(夏)
夏に見かける燕のことを表現した一句です。子育ての時期である夏、燕は忙しく駅から空へ飛び立ちます。その燕の姿を見て、ほっこりした気持ちになります。
2. 「水遊び ぼくの顔中 水びたし」
季語:水遊び(夏)
夏といえば水遊び。この一句は、水遊びを楽しむ子供の姿を描いています。水びたしになっても、それが楽しくて笑顔いっぱいで遊んでいる様子が伝わってきます。
3. 「金魚の尾 水辺にゆれる 花のよう」
季語:金魚(夏)
金魚の美しい尾ひれが水辺で揺れる様子を詠んだ一句です。その美しい動きは、まるで水中で咲く花のようです。
4. 「かき氷 色とりどりに 光ってる」
季語:かき氷(夏)
夏の楽しみの一つであるかき氷。色とりどりのシロップがかかったかき氷が、夏の日差しを受けてキラキラと輝いている様子を描いています。
5.「冷やし中華」をテーマにした小学生向けの俳句案
1. 「暑さ忘れ 冷やし中華の 麺すすり」
2. 「夏の風 冷やし中華で 涼みき」
3. 「汗を拭き 冷やし中華の 味わいし」
4. 「冷たさに 顔をほころばせ 冷やし中華」
5. 「夏の日に 冷やし中華の 香り漂う」
6.「任天堂スイッチ」をテーマにした小学生向けの俳句案
1. 「夏休み スイッチと共に 寝起きする」
2. 「部屋の中 スイッチの光 虫の音」
3. 「スイッチ押し 夏の冒険 はじまった」
4. 「スイッチと 夏の日々を 過ごしゆく」
7.「寝苦しい」をテーマにした小学生向けの俳句案
1. 「寝苦しい 夏の夜長に 星を数え」
2. 「寝苦しい 夜でも夢は 冷たい川」
3. 「寝苦しく 夏の夜を待つ 蚊帳の中」
4. 「寝苦しい 夜でも月明かり 涼しげに」
5. 「寝苦しい 夏の夜空に 火花を散らす」
これらの俳句は、夏休みの楽しみや自然の美しさを表現しています。夏休みに詠む俳句は、自分の経験や観察を元に詠むことで、より面白く、ユニークな一句になるでしょう。夏休みの思い出を俳句に詠んでみてはいかがでしょうか。
花火をテーマにした小学生向け俳句の作り方と例文
、夏の風物詩である「花火」をテーマにした俳句は、季節感を感じさせる素敵な作品を生み出すことができます。
まずは、花火をテーマにした俳句の作り方について考えてみましょう。俳句は5-7-5の17音で構成され、季語を含むことが基本です。花火は夏の季語としてよく用いられます。花火の美しさ、はかなさ、夏の夜空を彩る情景などを表現してみてください。
例えば、「夜空に 花火咲き散り 夏の終わり」という俳句は、花火が夜空に広がりながら消えていく様子と、それが夏の終わりを象徴しているという情景を描いています。
また、「子供達 花火に歓声 夏の思い出」という俳句は、花火を見る子供たちの喜びや、それが夏の思い出となる様子を表現しています。
花火にはさまざまな種類があります。打ち上げ花火、線香花火、手持ち花火など、それぞれの特徴を活かした表現を試みるのも面白いでしょう。
その他、花火をテーマにした小学生向けの俳句例を5つ紹介します。
1. 「夏の夜 空に咲く花 火の舞」
2. 「子供達 花火に歓声 夏の思い出」
3. 「手元に 花火一つ 夏の友」
4. 「線香花火 握りしめて見る 夏の星」
5. 「打ち上げ 花火の下で 笑顔咲く」
俳句作成のコツとして、具体的な情景を描くこと、五感を使って表現すること、想像力を働かせることが大切です。これらを心がけながら、自分だけのオリジナルな花火の俳句を作ってみてください。
小学生がすばらしい俳句を書くには「一流の俳句」に触れよう!
著者が子どもたちに詠んでほしいオススメの俳人は「小林一茶」です。
小林一茶の俳句は子どもが書いたのではないかというくらい、心おどる句がたくさんあります。
詠んでいるだけで、自分の子どもに当てはめることができるくらいです。
ここに小林一茶の俳句を紹介してみたいと思います。
雪とけて 村いっぱいの 子どもかな
季語 – 雪とけて(春)
長い冬が終わり、雪解けと共に子どもたちが家から飛び出した。
村中子どもたちの喜びでいっぱいという情景を表しています。
やせがえる 負けるな一茶 これにあり
季語 – やせ蛙(春)
蛙同士が喧嘩をしているので、応援している小林一茶がいる情景を表現しています。
やれ打つな ハエが手をすり 足をする
季語 – ハエ(夏)
ハエをよくみると手や足をすりすりして、叩かないでくれとお願いしているように見える。
だから、打ち殺さないようにという思いを詠っています。
秋風に 歩いて逃げる 蛍かな
季語 – 秋風(秋)
夏に美しい光を灯した蛍たちが、冷たい秋風を受けて弱って逃げていくように見える様子を表現しています。
うまさうな 雪がふうはり ふうはりと
季語 – 雪(冬)
フワフワの美味しそうな雪が降ってくる様子を詠っています。
参考:小林一茶の俳句 100選 – 春夏秋冬 –
参考:楽天ブックス 小学生のための俳句入門:君もあなたもハイキング
俳句書き方ガイドのまとめ
- 五・七・五の17音で書く。
- 季語を必ず入れる。
- 子どもが親しみやすい題材で書く。
俳人が詠った俳句も、童心に返って詠ったようなものもたくさんあります。
例で紹介した小林一茶の句からも分かるように、難しく書くことが良い俳句ではないことが分かるでしょう。
情景と感情が組み込まれている俳句は、どんな世代にも親しみやすく共感できるものです。
お子様が感じたままの素直な俳句をたくさん書かせてあげてくださいね。
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