中学生にもなると、夏休みの自由研究もそれなりにレベルの高いものが求められます。
とは言うものの、そんなに手間もかけたくないし何をテーマにしたら良いか頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、ズバリ「カビの研究」に限ります!
カビの研究なら、そんなに手間もかからず奥の深い研究結果を発表することができます。
ここでは、カビの研究のやり方、まとめ方、注意事項について教えちゃいます!
カビの自由研究をおすすめする理由。カビの自由研究をどうやってやるの?
「カビの研究」をお勧めする一番の理由、それはテーマの割に手軽にできることです。
後ほど詳しくご紹介しますが、準備するものは日常使っているもので大丈夫です。
しかも、カビの元となる菌は、そこら辺じゅうに漂っているのでわざわざお金をかける必要もありません。
しいて言うなら、シャーレを準備するぐらいです。
最も、シャーレが無くてもタッパがあれば十分代用可能です。
1点だけ注意するとすれば、カビが生えるまで日数がかかるということです。
従いまして、夏休みも終わりに近づいてから慌てて始めようと思ってもできません。
そこだけは注意してください。
カビの研究で何をしたら良いか、それは「カビを作って観察する」ことです。
しかし、ただ、食べ物を腐らせてその様子を見ているだけでは、単なる不衛生で暇を持て余していることにしかなりません。
そこは自由研究なので、きちんとした手順できちんとした研究結果をまとめる必要があります。
大まかな研究の進め方
1.仮説を立ててみる
なぜカビが生えるのか、カビが生えやすい場所、生えにくい場所はどこか考えてみる
2.準備をする
実験に必要な道具の準備、実験する時に道具が置いておけるかどうか確認
3.実験
実際にカビを生やしてみて経過を観察する
4.結果のとりまとめ
観察した時の状況のまとめ、自分の仮説が正しかったか結果から推測する
5.振り返り
実験をして良かった点、悪かった点を振り返ってみる
それぞれの細かい点については順次説明します。
それでは、まずカビを作るにはどうしたら良いか見ていきましょう。
カビを作ること、これをカビの培養といいます。
カビの培養方法については後ほど詳しく説明します。
カビの培養をする上でポイントとなるのが、カビの培養に必要な苗床になります。
これを難しい言葉で培地といいます。
要するに、カビが生える場所、という意味です。
カビが生えるためには適度な栄養と水分が必要です。
とは言うものの、何でも良いわけではありません。
食べ物を腐らせてしまうと悪臭を放ちますし、何より衛生上問題です。
そこで、培地として適しているものを使うようにします。
カビの研究に適した培地として、寒天、パンの二つがあります。
なぜ適しているのか、詳しいことは後ほどカビの培養方法の部分でご説明します。
次に、どこでカビを培養するかですが、あまり決まりごとはありません。
むしろ、家の中の何か所かでカビを培養した方がその違いがわかります。
日なたでも良いですし、日陰でも良いでしょう。
試しに冷蔵庫の中に入れたらどうなるか、これも試してみると面白いかもしれません。
観察する際には、以下の点に注意を払う必要があります。
観察するときの注意点
- カビを培養している場所
- 日時
- その時の状況(天気、温度、湿度など)
- カビの様子
カビの観察の大まかな手順は以下の通りになります。
観察の手順
1.カビを観察する前に、以下の点を観察日記に記録します。
- 観察場所(例えば、「台所」「居間」「バルコニー」といった具合)
- 観察する時間(午前〇時〇分)
- 観察する時の天気
- 観察する時の気温
- 観察する時の湿度
2.実際にカビを目視で観察します。
3.観察したカビを記録します。絵に描くのは難しいので写真を撮るようにしましょう。デジカメ、写メでも構いません。
観察する時間は同じ時間が望ましいです。
観察する時の条件を揃えるためです。
こうして、少なくとも2週間は観察し続けます。
観察頻度は一日に一回で充分です。
もっと細かくカビの状態を観察したければ、一日に数回観察しても良いのですが、毎日続けると疲れてしまいます。
カビの状態を継続して観察する一つの方法として、動画を取り続ける方法はあります。
ただし、動画を取るためにビデオカメラを準備しなければなりませんし、電気代も馬鹿になりません。
ここまでくると、もはや大学の研究に近いものがあります。
興味があれば別ですが、あえてここまでする必要はありません。
寒天をつかったカビの自由研究のやり方は?
ここで、寒天を使ったカビの培養方法についてご説明します。
準備するものと手順は以下の通りとなります。
寒天を使ったカビの培養方法
寒天でカビを培養するための材料
- シャーレ(ふたつき)、なければタッパ
- 寒天
- ハリガネ
- ライター(柄の長いものがあればなお良い)
寒天を使ったカビの培養方法(1種類のカビ)
- 普通に料理で作る要領で寒天をつくる
- シャーレにもしくは寒天を流し込む
- ふたをしてほったらかす (※ふたをしたままにしておくこと)
- 数日たつと、菌が培養されている
寒天を使ったカビの培養方法はこの通りです。
ちなみに、何種類かのカビを培養したい場合でも、この方法は応用ができます。
寒天を使ったカビの培養方法(数種類のカビ)
- 普通に料理で作る要領で寒天をつくる
- シャーレもしくは寒天を流し込む
- ハリガネに培養したいカビをくっつけて寒天に塗りたくる
(カビの採取先 味噌、ヨーグルト、しいたけ) - ふたをしてほったらかす (※ふたをしたままにしておくこと)
- 数日たつと、菌が培養されている
寒天を使うメリット
寒天を使うメリットとして、次の点を挙げることができます。
- 適度な水分を保ってくれるのでカビが繁殖しやすい死滅しにくい
- 液体と違い広がらない、ある一定の範囲外には広がらないためカビそのものの状態を観察しやすい
- 液体培養の場合、他の菌が混入してくるので、培養した時に何の菌かがわからなくなる
- 寒天を分解できる生物がほとんどいない、つまり溶けてドロドロにならない
- 無色透明のため観察しやすい
パンをつかったカビの自由研究のやり方は?
寒天を使う代わりにパンを使ってカビを培養する方法もあります。
パンの場合、食パンを使うようにしましょう。
菓子パンを使うと、どこにカビが生えたかがわかりづらくなります。
この他、菓子パンに使用されている材料からそれぞれカビが生えてしまうことになり、どのカビが生えてきたのかがわからなくなります。
食パンを使ったカビの培養方法
食パンでカビを培養するための材料
- シャーレ(ふたつき)、なければタッパ
- 食パン
- ハリガネ
- ライター(柄の長いものがあればなお良い)
食パンを使ったカビの培養方法
- シャーレにパンを置く
- ふたをしてほったらかす (※ふたをしたままにしておくこと)
- 数日たつと、菌が培養されている
食パンを使うメリット
食パンを使った場合のメリットにはこのような点があります。
- とにかくお手軽
- 寒天同様、固形物で水分は蒸発してしまうのでドロドロになりにくい
食パンを使うデメリット
一方、食パンを使った場合にはこんなデメリットもあります。
- 食パンは水分が無くなると干からびてしまう。これは菌にとって必要な水分が無くなる
ため、カビが死滅してしまう
これを防ぐためには適度な水分が必要です。
霧吹きで適度に湿らすと良いでしょう。
カビの自由研究に必要な道具は?
ここで、カビの研究に必要な道具についてご紹介します。
と言っても、既に見てきた通り日常にありふれたものばかりです。
ノート
実験の際の状況を記録するために必要です。
値段は5冊パックで500円ぐらいです。
(1冊100円)
鉛筆
あえて説明する必要もありませんね。これも記録用に必要です。
値段は1本100円ぐらいです。
時計
いつ観察したか時間を見るときに必要です。
わざわざ買わなくてもお家にある時計でいいですよ。
1800円ぐらいから購入できます。
シャーレ(ふたつき)
カビの培養に必要です。
インターネットサイトで500円ぐらいで売られています。
ハリガネ
カビの採取と寒天、パンにつけるために必要です。
180円ぐらいのものを購入しましょう。
培養用の寒天
寒天、食パンはスーパーで売られているもので大丈夫です。
1800円ぐらいです。
寒天については身近にあるもので問題ありませんが、一応医療用に使われているものもご紹介します。
医療用寒天
普通に売られている寒天よりはかなり割高です。
7500円ぐらいです。
霧吹き
食パンで培養する場合、湿り気を与えるために必要です。
1000円ぐらいです。
加えて、必須ではないけれどあると研究結果のまとめに幅を効かせることができるアイテムをご紹介します。
温度計
気温を測るために使用します。
湿度も一緒に測れるものをお勧めします。
800円ぐらいです。
カビの本
観察している時「このカビって何だろう?」なんて調べることがあるかもしれません。
そんな時のためにカビについて解説している本があると便利です。
990円です。
中学生らしいカビの自由研究のポイントとまとめ方は?
実験した結果をうまくまとめることで、研究した成果をよりそれらしくまとめていくことができます。
まずは、以下のポイントをまとめていきましょう。
- 研究テーマ
- 研究をした理由(このテーマに興味を持った理由)
- 研究方法、研究内容(どのような方法で実験したのか)
- 自分の立てた仮説の説明
- 実験した時の状況(どのように変化していったか)
- 実験結果
- 感想(良かった点、悪かった点、今後こうしていきたい)
こうした点を意識してまとめると説明もしやすくなりますし、まとめる力、構成を考える力を養うことができます。
実験の様子はカメラか写メで撮るようにして、後で画像を貼れるようにしておくと良いです。
特に重要なのは、実験結果のまとめとなります。
ポイントとして以下の事項をまとめるようにしましょう。
その時、画像を入れてあげるとわかりやすくなります。
- カビができたかどうか
- どんなカビができたか(カビの種類について解説)
- 最終的にどうなったか
- 自分の立てた仮設と合っていたか違っていたか
- 考察
カビの自由研究をやる上での注意点は?
カビの実験を行う際には、特に衛生面に気をつけてあげる必要があります。
カビを吸い込むと呼吸器に支障をきたす恐れがあります。
一番良いのは市販のマスクをつけることです。
その他、手に触れた際には必ず手を洗うようにしてください。
食べ物の近くでカビを扱うのは絶対にやめましょう。
カビの実験が終わった後の後始末も大切です。
カビのついた寒天、食パンは必ずゴミ箱に入れすぐにゴミとして出すようにしましょう。
カビのついたシャーレ、タッパは洗面所で洗ってあげると良いです。
カビの自由研究、親はどこまで手伝うべき?
重要な点は、本人が主体的、自主的に研究を行うかどうかです。
自由研究をする本来の意味もまさにそこにあると言えます。
では、親としてどこまで関わるべきなのでしょうか?
本人がやる気を持って取り組むためにはどのようにしたら良いのでしょうか?
ここで例を挙げてご紹介しましょう。
子供にかけてあげるべき言葉の例
- 「自由研究は順調?」
- 「実験場所は決めた?」
- 「まとめる時にはパラパラ漫画のように画像を貼ってあげるといいよ」
本人が前向きに取り組めるような言葉をかけてあげるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カビの自由研究についてまとめてみると、このようになります。
カビの研究のまとめ!
- カビの自由研究はとてもお手軽。家にあるもので簡単にできる。
- カビの実験をする前に仮設を立ててみよう!
- カビの実験をする時はその経過を記録するようにしよう!特に画像を取ることが大切!
- カビの実験をした後は結果をまとめるようにしよう。仮説との比較も重要!
- カビの培養には寒天が一番!無ければ食パンを使おう!
- 実験をする時は換気に気をつけよう!実験した後のカビの始末も忘れずに!
- 実験は自主性に任せよう!ただし、カビを扱うので気を配るようにしよう!
夏休みの自由研究、ちょっとした工夫でかなり学術的な研究になります。
こうした学習をすることで子どもの自主性を養うことにつながります。
自分の周りには知らないことがたくさんあることに気がつき、物ごとに対する興味、好奇心を育むことにもなります。
全ては成長のための糧となるのです。
自由研究を通じて更なる知的好奇心を育んでいきたいものですね。
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