高校野球のマネージャーといえばグラウンドで頑張る球児たちを支える縁の下の力持ち。
夏の甲子園、スタンドから声援を送る姿やベンチでスコアを書いている姿、なんだかあこがれちゃいますよね。
でもその活躍はあまり知られていません。
私は中学生の頃、地方テレビの中継で見た高校野球にあこがれて部活は野球部に入りマネージャーをやりたいと思っていました。
しかし実際にをすればいいか、どんなことをするのかわからず不安でした。
やってみたいけど、ルールもよくわからないし、そもそも自分にできるのか…
しかしそんな私でも高校時代は野球部のマネージャーを3年間務めることができました。
野球ど素人の私がなぜマネージャーを務めることができたのか。
私の実体験も踏まえて今回は高校野球のマネージャーのお仕事をわかりやすく5つに分けてご紹介します。
また高校野球の本番、夏の練習で気を付けることをお教えします。
高校野球マネージャーの仕事5選!その1:練習前の準備
試合がない普段の日のマネージャーはプレイヤー(球児のこと)がスムーズに気持ちよく練習取り組めるようにサポートすることが主な仕事です。
そのため球児たちよりも早くグランドへ出て練習できる環境を整えます。
学校によっては少し内容は違ってきますが基本の流れは一緒です。
お茶、スポーツドリンクを作る
お茶やスポーツドリンクは夏場は一番大切です。
練習の合間に球児たちの主な飲料なので切らさないようにしなくてはいけません。
私のいた野球部ではスポーツドリンクを少し薄めに作っていました。
球児たちの好みに合わせるのも大切なので味の感想を聞いてその都度調整します。
ボール、ヘルメット、バットを拭いて出す
ボールは友達!というように普段使う道具を練習前に綺麗にすることも大切です。
また道具のメンテナンスも同時に行います。
バットのグリップ(バットの持ち手のことです)がボロボロになっていた時は球児と一緒に放課後グリップテープを買いに行って巻いていました。
ホームベースを置き、バッターボックス等のラインを引く
グラウンドに白線を引きます。
プレイヤーが練習を開始する前に引き終わらなければいけないのでスピードが求められます。
最初は緊張して曲がってしまったり私もよく失敗してましたがやっていくうちにうまくなるので大丈夫です。
ちなみにコツは思いっきり引くことです!
高校野球マネージャー仕事5選!その2:ノックのボール渡し
ノックとは守備練習のことです。
実際に守備位置について飛んでくる打球を処理する練習です。
マネージャーはこの時、ノックを打つ人へボールを渡す仕事をします。
いいタイミングでボールを渡すことが重要です。
うまく渡せないと練習の流れを止めてしまうので注意です。
またボールバック(キャッチャーへボールを返すこと)の時にはボールに当たらないように自衛しながらボールを渡さなくてはいけないので始めの頃はちょっとパニックになるかもしれません。
ボールを渡す相手とボールの動きを冷静に見ることが大切です。
練習時にはボール渡しに加えてボール拾いも行います。
こちらもいつ自分のところへボールが飛んでくるのかわからないので全体を把握しておくことが大切です。
私のいた野球部ではファースト側とサード側に立ち、プレイヤーが転がしてきてくれたボールを足で一度止めてから拾っていました。
こうすることで怪我をしないように予防できます。
自分自身が怪我をしないようにすることも大切ですがプレイヤーが怪我をした時はすかさず対処をしなくてはいけないので常に全体を見ていましょう。
また女子マネージャーがノッカーをしている学校もあります。
監督との話し合いは必要ですがこうして活躍することもできます。
参考動画:ナイン鍛える女子高生ノッカー 華麗なバットさばき、選手に応じて打球打ち分けも福井新聞社
高校野球マネージャー仕事5選!その3:試合の準備
遠征することもありますが今回は自校で行う場合をお教えします。
土日は練習か練習試合です。
普段の練習前準備で行うことに比べると仕事量が増えてくるのでやはり早めに学校に向かい準備します。
相手校と自校のベンチの準備
スコアを付けるための机や椅子、プレイヤーが座るベンチやバットやメットを置いておく棚などベンチに必要なものを一通り準備します。
先生たちと監督、コーチのお昼準備
試合は午前と午後分けて行うことが多くお昼をまたぐので出前を取ったり、お弁当を買ったりします。
ベンチ入る人、アナウンス、BSOカウンター、得点を入れる人
試合が始まったら各自担当へついて動きます。
ベンチ担当はスコアを書きながら監督やプレイヤーの対応をします。
試合前にはスタンディングメンバー発表も任されることがあるので気合が必要です。
アナウンスは場内アナウンスのことです。
BSOは【ボール、ストライク、アウト】をカウントすることです。
スイッチを押してカウントボードを光らせます。
あとは得点が入ったら得点盤に反映させます。
観客の対応
保護者の方や観客の方の席を用意したりして対応します。
審判手配、お礼金
実はこれもマネージャーのお仕事です。
手配方法は様々ですが連絡先を聞いて試合前に来てもらいます。
お茶を出したり、試合後には謝礼金を渡します。
この他にもありますがざっとまとめました。
試合ということもあり練習の日と比べると緊張しますね。
大人の方とのやりとりが多いのでのちに社会勉強にもなります。
高校野球マネージャーの仕事5選!その4:場内アナウンス
試合の時に「1番、ライト、〇〇くん‥」というアナウンスを聞いたことはあるのではないでしょうか?
甲子園ではプロの方がアナウンスをしていますが、練習試合や地方大会では各高校の女子マネージャーが行なっています。
私のいた野球部は伝統的にアナウンスの上手いと評判の高校だったので先輩たちからたくさん指導を受けて練習しました。
チャンスがあれば公式戦の大きなスタジアムでアナウンスすることもできるのでぜひチャレンジしてみてください。
高校野球マネージャーの仕事5選!その5:スコア記入
マネージャーがベンチでなにやらノートに書き込んでいる様子をみたことがあるでしょうか。
あれは試合の様子をスコアブックに書き込んでいます。
記入方法は学校や監督、コーチによって変わりますが、一般的なのは早稲田式と呼ばれる記入方法です。
他にはプロ野球でも採用されている慶應式があります。
ちなみに私は早稲田式に監督がわかりやすいようなアレンジを加えたスコアの付け方をしていました。
スコアブックには試合全体の様子を記さなくてはいけません。
自校だけでなく相手校の記録もします。
投手がどのくらい球を投げたか、ヒットはどのくらい打ったのか等プレイヤーが後で試合を振り返ることに使うのはもちろん、監督やコーチもスコアブックを確認します。
かなりのデータが記録されるスコアブックはかなり重要になってきます。
試合をしっかり見て間違わないように丁寧に書き込みます。
ルールをよく知らなかった私は最初スコアブックの書き方を覚えるのが大変でした。
動画のように一時停止してくれればいいのですが‥そうはいかないのでとにかくルールを頭に入れておくことが大切です。
また試合から目を離さないことです。
展開が早いときはノートの端にその時のプレイを簡単にメモしておくと良いです。
夏休み中の練習でマネージャーが気を付けることは?
最近では40度を超える日も珍しくありません。
そうなると一番気をつけなくてはいけないのはやはり熱中症です。
まずは自分自身が熱中症対策をきちんと行うことが大切です。
熱中症対策
- グラウンドに行くときは必ず帽子をかぶる
- 直射日光の下で長時間作業しない
- のどが乾く前に水分補給(スポーツドリンクなど塩分のあるもの)をする
- 適度に休憩をする
塩飴も有効ですが部活中に食べるのは誤飲の危険があるので練習前や練習後に食べるようにしましょう。
私が所属していた野球部では夏の練習時にはお茶とスポーツドリンク以外にも塩を用意していました。
どんなに対策をしていても熱中症になってしまうことはあり得ます。
体調がすぐれない時はすぐに監督や先生にその旨を伝えて涼しい場所へ移動しましょう。
また部員が熱中症の疑いがある場合の対処法もご紹介します。
- 意識があるかどうか状態を確認します。意識がないようであればすぐに救急車を呼びましょう。
- 風通しのいい涼しい場所に移動します。できればクーラーの効いた部屋が良いです。
- きついベルトをゆるめたり、衣服を脱がせて体から熱を発散させます。
- 露出させた皮膚に水をかけてうちわや扇風機で仰いで体温を下げます。
- 氷を袋にいれ氷嚢を作り、首の両脇、わきの下、太ももの付け根に当てます。
- 自分でスポーツドリンクを飲んでもらいましょう。(自分で飲めない場合は医療機関への受診が必要です)
出典:大塚製薬
熱中症の疑いがある場合は必ず監督や顧問の先生に報告し、一緒に対応してもらいましょう。
ただ対処法を知っておくといざという時慌てずにすむので覚えておくと良いです。
参考文献:日本スポーツ協会
高校野球マネージャーが病気になって休まないためには?
マネージャーはプレイヤーを支える仕事をしているため簡単には休めませんね。
数人マネージャーがいる部ならよいですがマネージャーはひとりという部も珍しくありません。
風邪を引いて休まないためにはまず自己管理が大切です。
夏の大会前には千羽鶴を作ったり、お守りを作ったりとなにかと忙しくなります。
寝る間も惜しいくらいですが睡眠はきちんと取りましょう。
またきちんと三食食べることも大切です。
忙しくなることが予想される時は前々から計画しておくことも大切です。
例えば当時は夏の大会前に三千羽鶴を作っていたので二ヶ月前から構想を練って計画して作っていました。
マネージャー同士で話し合って作るお守りをそれぞれ分担したりと夏の大会前、手帳には予定をびっしり書き込んでいました。
今はスマホに便利なカレンダーアプリやタスク管理アプリがあるので活用しするのも良いですね。
経験者は語る!高校野球のマネージャーは楽しい!
ここまでマネージャーのリアルなお仕事を紹介してきました。
アニメや漫画のようにのんびりベンチに座ってボールを磨いてグラウンドで練習するプレイヤーたちを眺める‥なんてことはありませんでしたね。
ただ仕事の量は各学校で違います。
私のいた野球部は部員よりマネージャーが優れていると噂されていた学校だったこともあり仕事量もかなり多く、いつもプレイヤーと同じくらい走り回っていました。
女子高生という貴重な時期におしゃれは最低限しかできませんでしたし、毎日ほぼ休みなく部活だったこともあって正直しんどいな‥と思っていました。
実際に辞めてしまうマネージャーもいました。
そんな中でも3年間続けてこられたのはやっぱり高校野球が好きだったからです。
テレビや漫画で見て憧れていた世界に自分自身がいること、それは奇跡でもありました。
試合の始まる瞬間、ベンチからホームへ走り出すプレイヤーたちの背中を見守るのが好きでした。
あの瞬間はマネージャーをやっていなかったら絶対に見れない景色です。
楽しい時も辛い時も家族よりも一緒にいた仲間だからそこ、あの瞬間どんな思いで駆け出したのかわかりました。
引退がかかった最後の大会では9回裏で逆転して勝利し、私の泣き顔が地方テレビでばっちり映っていたのも今思えばいい思い出です。
大人になった今でも一つ一つ鮮明に覚えています。
それくらい貴重な体験をたくさんしました。
大人も魅了される高校野球の世界。
なぜこんなにも引き込まれるのか当時はよくわかりませんでしたが今ならわかる気がします。
一生懸命に打ち込んだあの時間は高校生でなくては手に入れることができません。
その時間は一生の財産になります。
もしマネージャーをやりたいと少しでも思っている人がいたらぜひ野球部に飛びこんでみてください。
まとめ
高校野球部マネージャーのお仕事5選!
- 練習前の準備
- ノックのボール渡し
- 試合の準備
- 場内アナウンス
- スコア記入
夏休み中の練習では熱中症に気を付けよう!
【熱中症対策】
- グラウンドに行くときは必ず帽子をかぶる
- 直射日光の下で長時間作業しない
- のどが乾く前に水分補給(スポーツドリンクなど塩分のあるもの)をする
- 適度に休憩をする
熱中症の部員がいたら監督や顧問の先生に相談し対応しましょう。
高校野球のマネージャーが病気にならないためには
- まずは自己管理を怠らないようする
- 三食きちんと食べて、きちんと寝る
- 夏の大会前の忙しい時期は前もって計画を立てて取り組む
スマホのカレンダーアプリやタスクアプリを使うと便利!
かなりリアルな高校野球のマネージャーのお仕事内容を紹介しましたがいかがでしたしょうか。
なんだか大変そう…でも大丈夫です。
マネージャーに必要なことは野球が好きという気持ちです。
その気持ちがあれば誰でもマネージャーになれます。
あとは一歩踏み出してみましょう!
きっと素敵な高校生活になること間違いなしです!
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