毎年、夏の暑さが厳しくなると心配になる熱中症。
様々な対策があるなかで、「スポーツドリンクによる水分補給が大切」だと耳にすることが多くなりました。
スポーツドリンクは様々なものが販売されていますが、実際のところ熱中症には何を飲むのがよいのでしょうか?
味や価格で選ぶ方も多いと思いますが、実は状況によって適切な飲み物を選ぶことがとても大切です。
今回は、「ポカリスエット」に焦点を置いて「アクエリアス・ダカラ・OS1」とポカリスエットと成分の比較をし、どのような状況におすすすめなのかについてお伝えしていきたいと思います。
スポーツドリンクの成分を見るポイント
様々なスポーツドリンクが販売されていますが、商品によって成分が異なり、成分を見ればどのような状況で飲むのが合っているのかを知ることが出来ます。
スポーツドリンクの成分を見る際に大切なポイントは次の3つです。
①ナトリウム(塩分)
人は汗をかくと水分とともに「ナトリウム」も失われているので、水分だけの補給だと体液が薄まってしまい低ナトリウム血症(意識がもうろうとする、意識を失ってしまう症状)を引き起こす可能性があります。
水分補給をする際にはただの水を飲むだけではなく、ナトリウムの補給が必要です。(商品によってはナトリウムをミネラルと表記している場合もあります)
厚生労働省により、熱中症の対策として
を飲むのが推奨されています。
スポーツドリンクとして販売されているものは、ほぼ40ml以上含んでいるので熱中症対策に効果があるといわれています。
②糖質(炭水化物)
糖質はエネルギー源にもなりますが、体内で効率の良い水分吸収には、糖質とナトリウムを同時に取ることが効果的であるといわれています。
1時間以上の運動をするときは糖質である炭水化物が4~8%含まれている飲み物が推奨されています
スポーツドリンクは「浸透圧」により2種類に分類されています。
糖質濃度が2~3%のものは体液より浸透圧が低く、身体に水分が吸収されやすいので、汗をかく量が多い時・すばやく水分を吸収したい時に飲むのが適しています。(ハイポトニック飲料)
一方で、糖質が4~6%のものは体液と浸透圧が近いため、水分・糖分・塩分をバランスよく吸収することが出来ます。
安静時・汗をかいたとき・エネルギー補給をしたいとき・運動前などゆっくりと水分を吸収したいときに適しています(アイソトニック飲料)。
③疲労回復成分
商品の違いを出すために、疲労回復に役立つアミノ酸を配合しているスポーツドリンクも販売されています。
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分で、バリン・ロイシン・イソロイシン・アルギニン・グルタミンなどの成分です。
特にバリン・ロイシン・イソロイシンは、運動中の筋肉疲労の抑制に役立つといわれています。
ただ、アミノ酸は摂取すると消化酵素が誘導され、胃液量が増加する傾向がありますので胃がもたれる可能性があります。
スポーツ中に気になるようであれば前後に飲むのがおすすめです。
熱中症にはポカリスエットが一番?ゼリーでも効果は一緒?
風邪をひいた時や運動をするとき、熱中症対策として飲む機会が多いポカリスエットですが、そもそもどんな飲み物なのでしょうか?
そしてどうして熱中症に効果があるといわれているのか。
詳しくお伝えしていきたいと思います。
カフェイン系やエナドリがちょっと…という人はポカリとか個人的におすすめです‼️ 成分とかよくわからんし本当か知らんけど、飲める点滴と言われるくらいにはいいみたい?
— と ん こ つ (@mtonkotsu_3) December 9, 2019
そもそもポカリスエットとはどんな飲み物?
ポカリスエットとは、汗をかいた際に失われる「水分・ミネラル」を、すばやく身体に補給するのに適した飲み物で、「汗の成分」に近い、ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
また、ポカリスエットは飲む点滴ともいわれ、ミネラルのバランスが崩れてしまった際にすぐに補える成分が含まれています。
熱中症には効果があるの?
熱中症とは身体に熱がたまってしまった結果、めまい・頭痛・吐き気などが起こることをいいます。
暑い場所に長く滞在して汗をかいているのに水分補給が出来ずにいると、ミネラルのバランスが崩れてしまい、汗や皮膚温度で体温調節ができなくなってしまうのです。
そしてその対策として、ナトリウムと糖質を含んだ水分を補給することが推奨されています。
ポカリスエットはナトリウムと糖分が含まれており、汗に近い成分でミネラル分を身体に取り入れることができるので、熱中症に効果があるといわれています。
熱中症の症状が出てしまったときや脱水症状があらわれたとき、たくさん汗をかいたときなどに飲むのがおすすめです。
暑い日が続いてますが体調を崩したりしてませんか?
こまめな水分摂取も大事ですが水分摂取だけでは駄目です。塩分もとらないといけませんよ。ポカリスウェットなどがおすすめです。
音也は馬鹿の一つ覚えみたいにポカリスウェットを飲んでいますが…まあ、悪い事ではありませんね。— トキヤお風呂bot (@tokiya_ohurobot) December 17, 2019
ポカリスエットゼリーとの違いは?
ポカリスエットには、ペットボトルタイプやゼリータイプと様々な種類がありますが、実はそれぞれ含まれる成分が異なっています。
栄養分(100mlあたり) | ペットボトル | ゼリー |
---|---|---|
エネルギー | 25kcal | 55kcal |
たんぱく質 | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 (糖分濃度) |
6.2g (6.7%) |
13.3g (13.3%) |
食塩相当量 (ナトリウム) |
0.14g (約55mg) |
0.24mg (約94mg) |
カリウム | 36mg | 36mg |
カルシウム | 4mg | 4mg |
マグネシウム | 1mg | 1mg |
*公式ではナトリウム量を明記せず、「食塩相当量」を用いていますが、食塩相当量0.1g=ナトリウム約40mgとして表記しています。
*スポーツドリンクでは炭水化物と糖分はほぼ同量と言われていますので、100mlあたりの糖分1g=1%として表記しています。
それでは先ほどお伝えした通り、成分を見る際に大切なナトリウム・糖分濃度に着目して、ゼリーとの違いをお伝えしていきたいと思います。
①ナトリウム
熱中症対策の水分補給に推奨されているナトリウム含有量が40ml~80mlですので、どちらも熱中症対策に適しているといえます。
ペットボトルタイプを500ml、ゼリータイプを180ml(1本)あたりに換算すると、ペットボトルタイプ275g・ゼリータイプ169g、ナトリウムを摂取できます。
②糖分濃度(炭水化物)
こちらも推奨されている糖分濃度は4~8%なので、ペットボトルタイプが範囲内の濃度となっています。
ゼリータイプは、13.3%と濃度が高くなっていますが、1本180mlなので少ない量で糖分を摂取したい時におすすめです。
ちなみにそれぞれ1本あたりに換算するとペットボトルタイプ31g、ゼリータイプ24gとなっています。
先ほどお伝えした熱中症の症状が出たときや脱水症状があらわれたとき、たくさん汗をかいたときに、自分で水分が取れる場合やスポーツの後にはペットボトルタイプがおすすめです。
ゼリータイプは、食欲がないときや、スポーツの前でお腹がタポタポするのが気になるときに飲むのがおすすめです。
熱中症にはポカリスエットとアクエリアス、どちらがおすすめ?
ポカリスエットについてご紹介しましたが、やはり気になるのはそのほかのスポーツドリンクの違いですよね。
まずは、ポカリスエットとアクエリアスの比較をしてきたいと思います。
ポカリスエットとアクエリアスはどう違う?
アクエリアスは、「動くカラダの水分補給」をコンセプトに、ミネラル・アミノ酸・クエン酸を配合し身体を動かすサポートを目的としたスポーツドリンクです。
かつてアクエリアスはナトリウムの配合量が40mg以下だったことがあり、熱中症対策には向いていないと言われていました。
しかし現在は40mg配合されているので、熱中症対策にも効果が期待できます。
それでは、2つの違いをそれぞれの成分から見ていきたいと思います。
栄養分(100mlあたり) | ポカリスエット | アクエリアス |
---|---|---|
エネルギー | 27kcal | 19kcal |
たんぱく質 | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 (糖分濃度)/(500mlあたり) |
6.7g (6.7%)/(33.5g) |
4.7g (4.7%)/(23.5g) |
食塩相当量 (ナトリウム) |
0.14g (約55mg) |
0.1g (約40mg) |
カリウム | 20mg | 8mg |
カルシウム | 2mg | – |
マグネシウム | 0.6mg | 1.2mg |
アルギニン | – | 25mg |
イソロイシン | – | 1mg |
バリン | – | 1mg |
ロイシン | – | 0.5mg |
*公式ではナトリウム量を明記せず、「食塩相当量」を用いていますが、食塩相当量0.1g=ナトリウム約40mgとして表記しています。
*スポーツドリンクでは炭水化物と糖分はほぼ同量と言われていますので、100mlあたりの糖分1g=1%として表記しています。
①ナトリウム
どちらも推奨値範囲内なので、熱中症対策の際に効果があるといえますが、ポカリスエットの方がナトリウムを多く配合していますので、たくさん汗をかいたとき・熱中症の症状が出たとき・脱水症状があらわれたときにはポカリスエットがおすすめです。
また、汗をかいたけどカロリーが気になるとき・運動の後の水分補給にはアクエリアスがおすすめです。
②糖分濃度
ポカリスエットの炭水化物は果糖ブドウ糖液で、高カロリーではありますがすぐにエネルギーになり、アクエリアスの炭水化物は、人工甘味料で低カロリーなのが特徴です。
どちらも熱中症対策にはおすすめですが、食欲不振のとき・スポーツの前・エネルギー補給をしたいときにはポカリスエット、スポーツドリンクで水分補給をしたいけど糖質が気になるとき・スポーツの後にはアクエリアスがおすすめです。
③疲労回復成分(アミノ酸)
アミノ酸はアクエリアスにのみ配合された成分で、疲労回復を促す効果があります。
汗をかいた後疲れた身体を癒したい時・水分補給とともにスポーツの疲労回復をしたいときは、アクエリアスがおすすめです。
また、熱中症対策ではありませんが、風邪をひいたとき・体調が悪いとき・熱があるときには人の汗の成分に近いポカリスエットがおすすめです。
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